更新日:2026年04月01日 17:38
ライフ

シンプルなのに最高の『新潟お土産弁当』に狂喜!<人生最後に食べたい弁当は?>/久住昌之

『孤独のグルメ』原作者で、弁当大好きな久住昌之が「人生最後に食べたい弁当」を追い求めるグルメエッセイ。今回『孤独のファイナル弁当』として取り上げるのは新潟からの最高のお土産弁当。果たして、お味はいかに?
孤独の

「新潟からの最高のお土産弁当」

孤独のファイナル弁当 vol.13 「新潟からの最高のお土産弁当」

 取材で新潟のおいしい米を食べさせる店に行った。契約農家の無農薬のコシヒカリを、選び抜いた湧き水を使って、鉄の大釜で、薪で炊いたごはんを食べさせる店。  まずいわけがない。おかずは佐渡のフグの幽庵焼き。蟹の味噌汁と自家製の漬物。まあ、食べる前から特上極上の定食だ。当然うまかった。  その後も三条市の鍛冶屋の取材などがあり、夕方燕三条から帰りの新幹線に乗った。  駅でスタッフに「昼のお店からおにぎり預かっています」と渡されたのがこの弁当。パックに白飯のおにぎりと付け合わせ3種。  狂喜。1泊2日の疲れ吹っ飛ぶ。ビール1缶と、吉乃川のカップ酒を購入して乗車。  列車が走り出してすぐビールをプシュッ。すぐに弁当を開ける。わー。冷めてなお光り輝いて見える真っ白いおにぎり一個。付け合わせは、筋子、神楽南蛮味噌、海苔の佃煮。あぁ、見ただけで幸せ。わかってらっしゃる。  おにぎりの角を大きめにひと口。……うまい。冷めてなおうまい。このごはんだけでいい。と言いながら、割り箸で筋子をひと口。あー最高。口の中でちゃんと味わって呑み込む。有り難い。と漢字で書きたくなる。神楽南蛮は刻んだ青唐辛子が入った味噌。辛いだけでなくスバラシイ風味。無論、メシに嫌というほど合う。これでめし一膳軽い。

1958年、東京都出身。漫画家・音楽家。代表作に『孤独のグルメ』(作画・谷口ジロー)、『花のズボラ飯』(作画・水沢悦子)など。Xアカウント:@qusumi