更新日:2026年02月26日 18:51
ライフ

大人として少し考えた『調理パン弁当』の出来栄え<人生最後に食べたい弁当は?>/久住昌之

『孤独のグルメ』原作者で、弁当大好きな久住昌之が「人生最後に食べたい弁当」を追い求めるグルメエッセイ。今回『孤独のファイナル弁当』として取り上げるのは『調理パン弁当』。果たして、お味はいかに?
孤独のファイナル弁当「今日は調理パン弁当にしてみよう」

「今日は調理パン弁当にしてみよう」

孤独のファイナル弁当vol.12「今日は調理パン弁当にしてみよう」

 ボクは中学時代、まだ給食がなくて弁当だった。家の事情で弁当が作れなかった人のために、毎朝パンの注文があった。紙袋に「卵サンド」とか「カレーパン」とか品名が印刷されていて、欲しいパンに個数を書き入れ、合計金額を入れる。お昼にそのパンが袋に詰められて、教室に届くのだ。  ボクは弁当が好きだったから、ほとんどパンは買わなかった。でも友達の中には、親からもらったパン代を使わず、全部フトコロに入れるヤツらもいた。彼らは昼食抜きだから当然腹ペコになる。そこでいろんな生徒に弁当を少しずつもらっていた。それを「コジキ」と呼んでいた。おおらかな時代だった、と思ってください。そのカネはゲームセンターや、一枚400円だったレコードのシングル盤を買うのに使われていたな。  そんなことを思い出すパン弁当だ。

1958年、東京都出身。漫画家・音楽家。代表作に『孤独のグルメ』(作画・谷口ジロー)、『花のズボラ飯』(作画・水沢悦子)など。Xアカウント:@qusumi