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ドローンの次は“人型ロボット株”か。億超え投資家が先回りする「隠れ防衛銘柄」2選

ここ数年は世界情勢が安定しないために株式投資でも地政学リスクを踏まえた投資が求められる。「戦闘の脅威から各国政府はドローンや人型ロボットへの投資や実証試験を行っています。そこから逆算して銘柄を探すのも国策銘柄を考えるときには大切です」と話すのは資産億超えの個人投資家結喜たろう氏だ。実は日本株には産業機械メーカーのなかに隠れた防衛関連銘柄があると言う。億超え投資家が今注目する防衛関連銘柄とは?
人型ロボット

画像はイメージです

隠れた防衛関連銘柄

資産億超えの個人投資家の結喜たろう氏。株式や為替を20年以上取引し、リーマン・ショックやアベノミクス相場も乗りこなしてきた。その投資手法は、市場にとって話題になる大きなテーマから銘柄を絞り込み、決算発表から好業績が見込まれる株を売買するという至極堅実な方法だ。 「現在はロシアのウクライナ侵攻や中東情勢の変化など世界情勢を揺るがすニュースが多く報じられています。次の株式市場のテーマを考えるとき、これらは避けては通れません。安全保障上の脅威が明確になると……。数年単位のサイクルにはなりますが、その社会問題が政策課題に昇格し政府から予算が付き、技術開発や実証実験が始まり、調達や量産が進んでいけば企業業績に繋がったりします。企業業績に現れる前から防衛関連銘柄の変化に気がつけると、市場の波にも乗りやすいものです」 そこで結喜氏が例として挙げるのは産業用ドローンで測量や点検を行うTerra Drone(東G・278A)だ。実はこういった産業機械のメーカーが隠れた防衛関連銘柄になると話す。
Terra Drone(東G・278A)

Terra Drone(東G・278A)

「Terra Droneの株価は年初2000円台でスタートし、5月12日には1万9610円という高値を付け一度は下落したものの、足元では再び上昇する動きも見せています。同社は今年防衛市場への参入を発表し、迎撃用ドローンの開発を進めて防衛省の外局である防衛装備庁の実証試験でも供試器材に選定されました。この銘柄に私が気がついたのは今年3月にアメリカの重要な軍事基地に複数のドローンが侵入したという事案の報道です。もちろん、このニュースだけで株価上昇を予測できたわけではありません。しかし、ニュースから国や企業がどこにコストをかけるのかを考えることはできます。これこそが銘柄探しのポイントです」 社会的な課題と企業の事業が具体的な材料によって段階的に結びついた事例であったと結喜氏は言う。

次に高騰するかもしれない隠れ防衛銘柄とは?

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ただ、Terra Droneは既に社会課題のニュースが報じられ、実際に予算が付き実証試験を行っているフェーズでもあり、チャートや株価的にはこれから売買するのはリスクも伴うと言う。そこで、結喜氏が着目するのは「人型ロボット」なのだとか。 「先日、米国のロボット企業Foundation Future Industriesが、開発中のヒューマノイドロボ『Phantom』を早ければ2027年にウクライナで武装用途のテストを始める計画を報じています。同社は現在、物資の運搬や偵察などの試験をウクライナで行っていますし、既にウクライナでは車輪式や履帯式の無人地上車両が活用されています。すぐに武装した自律型ロボット兵士が実用化されたり、大量配備されるわけではありませんが、政府の研究支援や実証試験、試作品の採用などが報じられると、株式市場では思惑で資金が向かう可能性があります」 ドローンによって「空の戦闘の無人化」が行われてきたが、今後は「地上の戦闘の無人化」がテーマになる可能性があるというわけだ。そんななかで結喜氏が注目する日本株の銘柄とは? 「例えば、川田テクノロジーズ(東P・3443)は傘下にカワダロボティクスがあり、工場で人と協働する上半身型ロボットを開発しています。慶應義塾大学と力加減を再現するリアルハプティクス技術を研究・実装しており、遠隔操作などへの応用が期待されています。将来的には危険作業での活用も考えられますね」
川田テクノロジーズ(東P・3443)

川田テクノロジーズ(東P・3443)

人型ロボットの普及には、完成品メーカーだけでなく、関節部品、自律制御、センサーなど多様な技術が必要になる。防衛ロボティクスも同様で、周辺企業まで含めて関連候補を考える必要があるのだ。 「もう一つ挙げるならば、小型・軽量で高精度な減速装置を幅広い産業向けに展開するハーモニック・ドライブ・システムズ(東P・6324)です。人型ロボットの関節は、モーターの回転を適切な速度と力に変える精密減速機が重要な部品の一つ。人型ロボット市場が拡大すれば、ロボットメーカーへの部品需要が広がる可能性があります。会社が発表している中期経営計画でも、『AIロボット』と『航空・宇宙・防衛』を、それぞれ重点開拓分野に掲げていたりもしていますね」
ハーモニック・ドライブ・システムズ(東P・6324)

ハーモニック・ドライブ・システムズ(東P・6324)

今回覚えておきたいのは、どちらの銘柄も現時点で軍用人型ロボットを提供しているわけではなく、今回報じられた「Phantom」との取引や供給関係もないこと。あくまで防衛ロボティクスにも応用され得る技術を持つ関連候補であり、実際に政府との共同研究や実証試験、製品採用、受注へ進むかを確認する必要があることには要注意だ。とはいえ、直接軍事利用につながらなくても、ロボティクスは製造、物流、災害対応、点検など民間用途でも成長が期待され、市場の伸びが企業業績に波及する可能性も十分にある。今から着目しておくと面白いかもしれない。 <構成/上野智(まてい社)>
個人投資家・一級建築士/工学修士 建築設計事務所勤務を経て独立。 空間建築デザイン業務と並行しながら、個別株を中心に資産運用を実践。不況により事業が厳しい状況に追い込まれる中、趣味で続けていた投資が経営の立て直しに大きく貢献し、億トレーダーの仲間入りを果たす。個人投資家グループや証券会社などからの講演依頼も多く、四半期成長率を重視した銘柄選定と、チャート分析に基づく論理的な売買手法に定評がある。著書『四半期成長率とチャート分析』(パンローリング社刊)は2024年ブルベア大賞を受賞。ラジオNIKKEI『きらめきの発想』準レギュラー。 パンローリング主催『ファクター分析投資スクール』担当講師。 X(旧Twitter):@tarouyuuki0322
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