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ソマリアの海賊に負けた【中華人民解放軍の実力】

中国人民解放軍

ソマリアで歓迎を受ける中国海軍。だが、誰も予想だにしなかった“試練”を味わうことになるとは……!?(Photoshot/アフロ)

 ’08年12月26日。建国の父毛沢東の115回目の誕生日に、中国人民解放軍が誇る海軍艦艇部隊がソマリアへ向けて出航した。  当時、6隻の中国船が海賊に襲われる事件が発生しており、中国政府は、中国と台湾の船を海軍に護衛させ、海賊を殲滅すると大見得を切ったのである。  中国の政府系メディアはフィーバー状態だったと天安門事件のリーダー格・陳破空氏は言う。 「大国勃興、大国の軌跡、中国が軍事の実力を示す!といった勇ましい言葉を並べ立て、誇大に脚色して報じていました。この茶番に乗じて『富国強兵』の夢を成就させたかったのでしょう」  一部の愛国的な中国人は素直に熱狂。中国政府は気をよくしたのか以後1年間にわたって3度もソマリアへ艦隊を派遣し、中国商船の護衛を続けた。  だが、そんな意気揚々の中国海軍に試練がやってきたのは、’09年10月19日のことだ。中国の大型貨物船「徳新海」号がセーシェル諸島付近の海域でソマリアの海賊に襲われ、25人の中国人が人質に取られる事件が発生した。 「このニュースは、国内外の華人の大きな関心を集め、ついに中国軍艦は海賊への追撃および拿捕された貨物船と人質を救出する任務を帯びて遠征に出発したんです」  だが、中国世論が注視する中で救出部隊が取った行動は、海賊を追撃するポーズのみ。さらにこの不可解な事態について中国政府は恥知らずな説明に終始した。 「海賊問題は各国が共同で解決すべき問題なのに国際協力がなされていないと文句を言い、中国貨物船の事件がまるで他国の責任であるかのように言い放ったのです」  結局、中国貨物船「徳新海」号と25人の船員は、ソマリアの海賊に拿捕されてちょうど70日が経過した’09年12月28日にようやく解放された。 「海賊は中国から400万ドルの身代金を受け取った後、やっと人質を解放しました。ですが、中国政府は身代金については一言も語らずじまい。多方面からの努力によって25名の中国人船員と『徳新海』号は無事解放されたと述べるだけで、責任逃れに終始して国民に事実を隠し続けています」  いわば、ソマリアまでのクルージングを楽しんだだけの人民解放軍だが、メディア報道による援護射撃は続いた。 「ソマリアの海賊がいかに強大であるか、その装備がいかに近代化しているかを詳しく解説する報道が出てきました。なんと人民解放軍は20年もの間、軍事費増大を経てもなお、ソマリアの海賊の近代化に及ばなかったということなのです。信じがたいことに、海賊は人民解放軍よりも強いと中国は認めたのです」  平和憲法の範囲内でベストを尽くした海自ソマリア派遣部隊とは対照的な中国人民解放軍の実態。他にも週刊SPA!12月10日発売号『「中国人民解放軍がめちゃくちゃ弱い!」理由』特集では、軍事評論家、黒井文太郎氏による人民解放軍の戦力分析や、天安門事件のリーダー格・陳破空氏による内情暴露など人民解放軍の真実に迫っている。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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