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「がん検診で早期発見はムリ」「血圧下げる薬で死亡リスク」と医師が指摘する理由

年に一度、体の状態を知らせてくれる健康診断に今、疑問の目が向けられている。厚生労働省が内容の見直しを検討するなど、「本当に効果があるのか?」という声が高まっているのだ。健康診断の結果は本当に鵜呑みにしていいのか。その裏にある“医療のホンネ”に迫った!

【服薬】降圧剤で血圧を20下げると死亡リスクが10倍!?

[健康診断]の罠

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 健康診断で血圧やコレステロール値が高いとわかれば、すぐさま医師が囁く。 「少し薬を試して、経過を見てみましょうか」  そんな言葉には注意が必要だ。東海大学医学部名誉教授の大櫛陽一氏が話す。 「血圧は加齢による血管の柔軟性低下を補い、コレステロール値は加齢に伴う炎症を抑えるために増加します。こうした年齢による変化や体質を考慮せず、一律に基準を決めて薬を処方しているのが今の日本の医療の実態です」  降圧剤にはリスクも伴う。 「降圧剤によって血圧を下げすぎると、血流が乱れて固まりやすくなってしまいます。すると、脳梗塞が起こりやすくなる。脳梗塞は加齢とともに増える病気ですが、降圧剤で血圧を下げると、さらにリスクが高まるわけです」

降圧剤によって死亡率が高まるという大規模研究の結果も

 実際に降圧剤によって死亡率が高まるという大規模研究の結果も複数出ているという。