「育休取ったら殺す」発言の町長だけじゃない、地方のハラスメントはなぜ酷いのか
パワハラ、セクハラ──。相次ぐ地方自治体の長によるハラスメント報道に、世間の声は驚きを禁じ得なかった。何が彼らを“モンスター”にさせたのか。取材をすると、地方特有のハラスメント事情が見えてきた。
「育休1年取ったら殺す」
愛知県東郷町の井俣憲治町長や岐阜県池田町の岡崎和夫町長が、職員に行ったハラスメント行為が問題となり、どちらも辞職したニュースは記憶に新しい。ハラスメントが起きる要因はさまざまであり、地域を問わず全国的な問題である。だが、地方特有の事情があるのもまた事実だ。
日本ハラスメント協会代表理事の村嵜要氏は「ヒアリング調査では、都会と地方で大きな差がある」と語る。
「企業からの依頼で、当事者のヒアリング調査を実施しているのですが、具体的な被害の該当項目が、都心では約5つ、地方では約20個ほどで、3~4倍ほど違う。地方のほうが、人間関係の狭さゆえに、限界まで我慢して助けを求める傾向があると推測しています」