高齢タワマンが増えた先に待ち受ける「恐ろしい未来」とは?

 庶民から羨望の眼差しを向けられてきたタワーマンション。そんな金殿玉楼も寄る年波には勝てず、老朽化によりメッキが剝げてきている。ステータスの象徴から、栄枯盛衰の象徴になるか……。住民だけでなく、国民全体を巻き込む最悪の事態に発展しかねない「タワマンの未来」に迫った。

高齢タワマンの悲劇に一般庶民が巻き込まれる!?

[高齢タワマン]の怖すぎる現実

住宅ジャーナリスト・榊 淳司氏

 このまま高齢タワマンが増えた先にはどのような未来が待つのだろうか。タワマン事情に詳しい住宅ジャーナリストの榊淳司氏に、将来起こりえるリスクについて聞いた。 「購入検討者にとって、修繕積立金の支払額が安ければ、当然魅力的。そこで販売時には積立金を月1万円と設定し、長期修繕計画に『5年ごとに修繕積立金は増額とする』と小さく記載して安価を装い、入居してから最終的に4~5倍の高額にするという販売手法がある。その上、インフレで工事費は高騰し、現場は深刻な人手不足。修繕費は上がる一方です」  資金の積み立てが足りず、修繕工事に着手できなければ、一般のマンション以上に大惨事のリスクが高まるのだ。 「修繕工事を重ねていくと住民も老齢世帯が中心で、『老い先短いのに……』と、将来のメンテナンスは後回しにして費用を削りがちになります。そんなタワマンで手入れを欠かすと、発生するのが雨漏りです」

雨漏りから廃墟化が始まる