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6000円の薬代が払えない63歳…貯金もなく全身ボロボロでも働く日々

 年収と健康には因果関係がある――近年、さまざまな研究によってそんな事実から明らかにされてきた。格差が広がる日本でも問題視され始めた「健康格差」が今、新型コロナの影響で深刻化している。残酷なまでに広がりだした“命の格差”とは? 今回は体調が悪くても働かないと生活できない高齢者の実態に追る。

高齢者でも限界寸前で働く現実

年収×健康 残酷な格差

大西貞夫さん(仮名・63歳)

「4年前から体調を崩し始めて、今は不整脈、ちくのう症、膝も壊していて歩くのもやっとの状態。全身ボロボロですが貯金もないので仕事を辞めるわけにいかず、年齢的に転職も厳しいので限界まで今の職場で働くつもりです」  そう話すのは大西貞夫さん(仮名・63歳)。大西さんが暮らすアパート、6畳ほどの部屋には、服用している薬の袋やハウスダストアレルギー対策という空気清浄機7台と扇風機4台など、物が散乱していた。一人が横になるのがやっとというほど拾ったもので溢れ返り、経済的、そして心身ともに余裕がない様子が窺える。

6000円の薬代が払えない…

「月の収入は訪問介護のアルバイトの13万円と、早期受給している年金が2万円。都内のアパートにもかかわらず家賃が2万5000円なのでかなり助かっていますが、生活費や税金、診療費や治療費を支払うとほぼ残りません。  昨年の緊急事態宣言の際には仕事が激減して、ちくのう症や不整脈のために飲んでいる1か月分で6000円の漢方薬代が払えないこともありました。体調はひどかったのですがアルバイトなので仕事を休めば収入はゼロ、生活のために熱が出た日も働いていました」 年収×健康 残酷な格差
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公的支援にも頼るつもりはない
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