お金

「入浴料は勝手に値上げできない」下町銭湯の苦悩。ガス代70%アップ、シャンプーも

 何かしらの値上げが連日ニュースとして流れてくる。経済が停滞し、物価が上昇し続ける“スダグフレーション”は深刻だ。消費者である我々の生活は当然苦しい。でも、もっと苦しい人たちがいる。「値上げ」という苦渋の選択をした数々の“現場”を直撃した。

「入浴料は値上げできない」下町銭湯が抱える苦悩

意外な[値上げ現場]の断末魔

3代目店主の栗田尚史さん

 原油価格の高騰が、市民の癒やしである銭湯に大きな影響を与えている。東京下町の荒川区にある創業71年の老舗銭湯「梅の湯」。その3代目店主・栗田尚史さん(39歳)は、苦渋の決断で値上げを決めた背景をこう話す。 「銭湯経営で一番負担が大きいのは水道光熱費。ウチはガスでお湯を沸かすので、今年に入ってガス代が例年の1.7倍になったのがかなり痛い。あと、塩素や水質管理に使う薬剤、無料で設置しているシャンプーやボディソープも仕入れ値が2割以上高くなりました」

入浴料480円は勝手に変えられない

 しかし、公衆浴場である銭湯は物価統制令に基づき、都道府県ごとに入浴料が決められている。東京都の場合は、入浴料480円を勝手に変えられない。そこで梅の湯は、レンタルタオルセットを100円から150円に、ドリンク類の価格を20~30円値上げした。 「東京都の公衆浴場対策協議会には毎年、入浴料の値上げを求める意見書を提出してますが、’21年に10円上がったのが5年ぶり。東京都の銭湯には、クリーンエネルギー化を推進するための改修費や、区によって高齢者の入浴補助に関する助成金がある分、地域のために存在するという意義がある。公衆浴場として行政のサポートを受けているけど、入浴料を上げられないツラさもあります」
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