エンタメ

福山雅治「ガリレオ」シリーズは「原作を書いてくださる限りは続いてほしい」

「実に面白い」という決めゼリフとともに、俳優・福山雅治の代表作の一つとなった「ガリレオ」シリーズ。前作『真夏の方程式』から実に9年ぶりとなる劇場版最新作『沈黙のパレード』が9月16日から全国公開中だ。主人公の天才物理学者・湯川学を演じた福山は、この作品にどんな思いを抱いたのか? 彼が本シリーズの魅力について真摯に語った。

嫌な世の中で湯川を演じる……

エッジな人々──本作を観て、容疑者にも犯行の“理由”があるというところに、現在の日本社会を反映しているような印象を受けました。 福山:まったくもって理不尽な暴力。では、それはいったい誰がどう裁くんだ、という思いがありますよね。しかも、そういったことはドラマや映画の中だけでなく、実際に今、世界では戦争が起きていて、コロナもまだ終息してない。日本国内でもテロが起きている。それらの出来事に至るまで複雑な理由や側面がありますが、圧倒的理不尽な暴力、圧倒的理不尽な死は、いつでも誰にでも訪れる可能性があるのです。

原作を書いてくださる限りは、続いてほしい

──原作は4年前ですが、確かに今日的なテーマを含んでいる内容と言えます。 福山:何か嫌な世の中だな……って思いながら生きてる日々に、この映画が公開されます。しかしながら、「ガリレオ」が他の作品と一線を画すのは、湯川が天才であり変人であったり、化学的な実験シーンがあったり、クスッと笑える湯川と薫の掛け合いシーンが盛り込まれていたりする。そこがエンターテインメントとして優れているのではないかと。 ──個人的には湯川の表情がこれまでと比べ、とても穏やかで優しい印象を受けました。演じていて天才、変人と言われてきた彼の変化みたいなものを意識しましたか? 福山:あえて詳しくは説明しませんが、今回の湯川の行動原理は草薙との「友情」です。『容疑者xの献身』で、同級生であり天才としてリスペクトしていた石神の真実を暴いたことで誰もが不幸になってしまった拭い去れない過去、清算しきれない過去が湯川にも草薙にもある。形は違えど今回、草薙が苦しんでしまう構造になってしまい、湯川は彼のために真実を解き明かそうとするんです。その友情物語は、表立って描かれているのではなく、裏側でずっと走っている。それによって物語がより重層的になっていく。薫もまた同じ気持ちで、それは映画の最後に湯川と薫が交わすセリフに表れています。 ――ドラマの第1シーズンが放送されたのが’07年。この15年を振り返ると、「ガリレオ」シリーズが俳優としての福山さんにもたらしたものは大きかったのではないでしょうか? 福山:「俳優」と名乗れるほどの数ではないと思うのですが、TVドラマの『ガリレオ』があって『容疑者xの献身』があって、その後に『龍馬伝』がくるんですよね。どれも脚本は福田靖さんですが、まったく毛色の違う2つの作品の役を短い期間に演じるという試みは、僕自身にとってはすごく挑戦的であり、楽しみでした。「ガリレオ」をここまで長くやるということは、最初は想像していませんでしたが、東野先生が原作を書いてくださる限りは続いてほしい。そうという気持ちは今もあります。
次のページ
時間をかけて、一つの役を演じられる幸福
1
2
3
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
Pianoアノニマスアンケート
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白