若月佑美が体感した笑いのプロが生み出すコメディの大変さ
男には媚びない。みんな私みたいにサバサバ生きればいいのに――。自己評価の高さと超勘違いのポジティブ思考で周囲にトラブルを起こしまくる「自称・サバサバ系女子」。会社や学校で一度は見かける“自サバ女”の生態が詰め込まれたコメディドラマ『ワタシってサバサバしてるから』(NHK総合、毎週月~木夜10時45分~)が放送中。
出版社を舞台に暴れまくる強烈な主人公・網浜奈美を務めるのはドラマ初主演の丸山礼。その網浜の言動に振り回される同僚の安藤晴香を演じたのが、若月佑美だ。これまで多くのコメディ作品に出演してきた若月だが、「経験したことのない緊張感が漂う現場でした」という撮影エピソードや、今年掲げた目標などを語ってもらった。
――マンガ好きとして知られる若月さんですが、ネットコミックの原作を読んでどう感じましたか?
若月 やっぱり網浜さんのすごさというか、実際にいてもおかしくないような主人公なんですよ。私の周りに「自サバ女」のタイプがいないので面白く読めましたけど、身近にいて他人事ではない人もいるんだろうなって感じました。
――今回の演出担当がコント番組「笑う犬」「ワンナイR&R」などを手掛けた方ということで、現場ではアドリブ合戦がすごかったと。
若月 撮影が始まったらカットが全然かからないんですよ(笑)。台本に書いてあるセリフもト書きも終わってるけど役者が勝手に止められないので、さらに絞りださないといけなくて。毎日、頭をフル回転させながらやってました。どこが使われるのかわからないから緊張感がすごかったですね。特に主演の丸山さんは大変だったと思うんですけど。
――福田雄一監督の作品をはじめ、コメディものには多く出演されているのでアドリブ演技は慣れているのかと感じてました。
若月 現場によって違うんですよね。福田さんの作品は基本的に俳優さんがやるコメディですが、今回はお笑いの分野で活躍されている丸山さんが主演。だから、笑いの質が違うというか、こちらが食らいついていかないといけないっていう気持ちでした。
――どういう違いが?
若月 俳優さんは役のセリフがあったうえでのボケやアドリブが多いんですけど、丸山さんまでいくとモノボケも加わるというか。リハーサルと本番でやってくることが全然違うし、周りのモノを観察しながら「どう動いてくるんだ」っていうのを常に考えながら演技しないといけないんです。監督も笑いに対してこだわりがあるので、「いい感じだったのでキープしておきます。もう1回いくんで、別のレパートリーもいってみますか?」っていうプレッシャーが……(笑)。それも面白かったですね。
――“自サバ女”の網浜奈美の同僚・安藤晴香を演じられましたけど、実際に網浜さんのような同僚がいたらどうですか?
若月 今回は演じながら、「巻き込まれるってこういうことなんだな」っていうのをリアルに感じてました。原作の網浜さんも丸山さんもパワフルな方なので、安藤晴香として網浜さんの騒動に巻き込まれ、若月佑美としても丸山さんが毎シーン入れてくるアドリブに巻き込まれているんですよ(笑)。
網浜さんが同僚だったら一周まわって面白いジャンルの人だと思うけど、一緒に働くとなるとどうなんでしょうね。ただ変に遠慮せずに、ズバッと意見が言える方が近くにいるとありがたいときはあります。
――若月さんは言えない?
若月 そうですね。私は、少し引っかかることがあっても我慢しちゃうんです。例えば、撮影現場で「太陽の日差しがこっちに向いてるから眩しいな」と思っても、「いやでも、画としては綺麗なんだろうな」って。それを近くにいる方が「こっち側だと眩しくて目が開かないです!」と言ってくれたりすると、心のなかで感謝してます。自分の意見を言える人は憧れますし、かっこいいです。だから最近は、人に迷惑をかけるくらいなら言った方がいいなということは、言うようにしています。
――では、もし網浜奈美のマインドを宿せたら若月さんが主張したいことは?
若月 冬はみんなで外の仕事やめません?って言いたいです(笑)。もともと冬は苦手なんですけど、年々寒いのがツラくなってきていて。俳優業だと作品の関係でどうしても冬場に夏のシーンを撮ったりすることがあるんですが、寒さで鼻とか頬が赤くなっちゃうタイプで申し訳ない気持ちになっちゃうんです。
――冬場の理想的な働き方はありますか?
若月 絵を描いたり、エッセイや化粧品のレビューなどを制作する時期にして、俳優業は春から秋まで活動したいです(笑)。
――TUBEと同じ感覚(笑)。
若月 理想的です。うちは母親も冬が苦手で、ウィンタースポーツとかも全然行かなかったんです。だから寒さに耐性がなく育ったことも関係してる気がするんですけどね。
――そんな寒さのなかでも、若いコたちは脚を出して歩いてますよね。
若月 羨ましい! 私はその隣りで暖かいタイツを履いて、モコモコの上着と靴下と靴に身を包んで雪だるまのようになってます。最近はオシャレなバッグとか洋服よりも、優秀な防寒具にお金をかけるようになってきました。
経験したことのない緊張感が漂う現場でした

冬はみんなで仕事やめません?(笑)

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