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サラリーマン増税は止まらない!稼ぎの半分が消える絶望日本/橘玲×佐藤弘幸

―[ずるい節税術]―
メディアで騒がれる「サラリーマン増税」。政府は働き方による税負担の差をなくそうとしているというが、これ以上天引きされたのでは、家計は火の車だ。専門家たちが“こっそり”教える禁断の節税テクに、副業の経費申告の裏ワザまで、確実に手取りを増やすのだ!

迫りくる税負担増にサラリーマンができること

ずるい節税術

作家で社会評論家の橘玲氏(写真右)と元国税局職員で税理士の佐藤弘幸氏(写真左)

財務省は、’22年度の国民の所得に占める税金や社会保険料などの負担割合を示す「国民負担率」が47.5%になる見込みだと発表した。 国民が所得の中からどれだけ税金や社会保険料を払っているかを示すという割合だが、これは「江戸時代の五公五民と同じ」との悲鳴が轟いている。 そこで、作家で社会評論家の橘玲氏と、元国税局職員で税理士の佐藤弘幸氏による対談を急遽敢行。サラリーマン増税時代の心構えを聞いた。

この先、ディストピアな世界がサラリーマンを待っている

橘:政府の方針を見ると、これまで税制優遇されていた退職金や、一定額まで非課税の通勤手当や社宅の貸与などの課税を見直すようですね。 佐藤:私はサラリーマンが税制上優遇されているとは思っていませんが、国は「課税されて当然」と考えているようです。 確かに、会社員に対する税制はかなり歪んでいる部分も一部あります……。企業の保養施設や食事の提供などの福利厚生も、大企業と中小零細企業の間には、かなりの格差が存在します。 橘:勤続年数が20年超の人のほうがそれ以下の人より退職金が多くなり、「1つの会社で20年以上働かないと損」だと思わせる退職金優遇や第3号非保険者制度などは、時代にそぐわなくなっていますね。 アメリカやEUの一部では、退職金の前提となる定年制は「年齢差別」として禁じられています。公正な社会を目指すという世界の潮流を考えると、歪んだ税制度にメスを入れるのは、仕方のない流れかもしれません……。 世界でもっともリベラルと言われる北欧では、そもそも通勤手当がありません。会社はすべての報酬を「給与」として支払い、あとは自分たち次第です。