國友公司が明かす、AI時代にも稼げる“インタビュー”と“街ネタ”取材の実践的テクニック
いま、混迷を極めるWebライターの世界。ChatGPTやClaude3などのAIツールの登場により、今後はSEO対策(検索エンジン最適化)に特化した“SEOライター”の仕事は激減していくとも言われるなかで、“取材ライター”や“インタビューライター”を目指している人も多いはずだ。
ネットで調べた情報だけではなく、自分の足で現場に出向き、見たり聞いたりした内容を原稿に落とし込んでいく……。出版社や編集プロダクションに勤めていたという人でもなければ、非常に難しい仕事に思える。
現在、ルポライター・編集者として活躍する國友公司さん(31歳)。『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』や『ルポ歌舞伎町』(共に彩図社)、『ルポ路上生活』(KADOKAWA)など、累計15万部のヒットを叩き出しているが、彼がほんの5〜6年前まではクラウドソーシングサイトで1文字1円未満の案件に応募し、毎日1万文字以上を必死に書き散らしていたことはあまり知られていない。
そこから這い上がり、さまざまな有名メディアの第一線に立つようになった國友さんは、一体どんな手法を使っているのだろうか? 今回は街ネタなどの取材やインタビューの具体的なテクニックはもちろん、応用編とも呼べる内容をお届けする!(記事は全3回の3回目)
【1回目】⇒1文字1円未満だったWebライターが“文字単価”を「6年間で約20倍に」上げるまで
【2回目】⇒文字単価を6年間で20倍に!プロが明かす“稼げるライター”になる11個の秘訣[お仕事をもらう編]
さまざまなWebメディアにおいて、取材ライターの仕事で定番といえるのが「インタビュー」である。大きな事象をさまざまな角度から取材して1本にまとめる記事は難易度が高いが、まずは目の前の「ひとり」に集中できるインタビューから経験を積もうとする人は少なくないはずだ。
取材先は、注目企業の経営者や社員、芸能界のタレントやモデル、お笑い芸人、プロスポーツ選手、話題の本の著者……。なにかインタビューのコツはあるのだろうか?
インタビューする際に、相手のことを調べたうえで何を質問するかを考えていくことになるが、事前にどこまで準備するのかは難しい問題だ。
SNS上では、あるベテランライターが「念入りに時間をかける」と言い、あるベテランライターは「あえて全く調べない」と言うから混乱してくる。
では、國友さんの場合は……?
「僕は事前準備がとても大切だと思います。相手のことをあまり知らないとか、取材するテーマについて知識がないのは問題です。最悪の場合、相手を怒らせてしまう可能性もあると思います。
具体的には、相手がSNSをやっていたら過去の投稿まで遡って取材するテーマについて言及してることがないかチェックします。投稿している件数があまりに多い場合は、テーマのワードを入力して検索しますね。書籍を出していれば必ず目を通す。
僕は編集者として仕事をすることもありますが、時間がないというのも本音です……。そういうなかで、お願いしたライターさんが、事前に相手の情報をちゃんと調べてくれていると、やっぱり現場で“すごい助かる”って感じますね」
かなりの労力が必要ではあるが、事前準備を行うかどうかで取材相手はもちろん、編集者やクライアントの担当者との信頼関係も変わってくる。
取材ライターとして駆け出しの状態ならば、しっかりと事前準備は行うべきだろう。
Contents