タイ・バンコクで、援助交際にハマるおじさんたちの悲哀/國友公司
vol.03/ルポライター 國友公司
タイ・バンコクに「テーメーカフェ」という、とっても下品な喫茶店がある。カウンターで1杯500円ほどのドリンクを注文するという至って普通のシステムだが、訪れる客の目的はズバリ買春。地下へ潜る階段を下りて店内に入ると、100人近いフリーの娼婦が立ち並び、男性客たちが品定めをしながら動物園に閉じ込められたホッキョクグマのように徘徊している。
僕はそのテーメーで、アキラ(男性・70代)という年金受給者の日本人と顔見知りになった。アキラはテーメーに来てもホッキョクグマにはならず、中央にあるテーブルに陣取り、ボスザルのように店内を静観している。
「回っちゃダメなんだよ、回っちゃあ。見ないと」
元週刊誌記者、現在フリーライター。日々街を徘徊しながら取材をしている。著書に『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)。Twitter:@onkunion