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旧統一教会2世たちの現在。「事件後、親はより熱心に献金するように…」

世間を震撼させた安倍元首相銃撃事件からもうすぐ2年。事件後は、旧統一教会の暗部が大々的に報道され、付随するように宗教二世問題が取り沙汰された。この機を逃すまいと、多くの当事者たちが、幼少期から受けた貧困や洗脳の被害を訴えてきた。   ‘23年10月に旧統一教会への解散命令が請求され、12月に被害者救済法が成立。‘24年4月には、こども家庭庁が、宗教二世への虐待を巡る実態調査結果を公表した。そうして世の中が少しずつ変わり始めるなか、宗教二世たちを取り巻く環境はどう変化したのか? 事件後、約2年の変化を追った。

「もう献金しないで」母への説得が裏目に

ルポ[宗教二世のその後]

野上さんの母と祖母が、教会長から教典を授かったときの一枚(スタンプ加工は本人による)。複雑な生い立ちを語る野上さん(右)

「旧統一教会の連日の報道は『ほらみたことか』と答え合わせをするような清々した気分でした。やっぱり、おかしいよねって」 野上千里さん(仮名・20代)は、熱心な旧統一教会信者の母のもと、“英才教育”を施されてきた。小学生から毎週教会へ熱心に通い、中高時代は母の意向で教団の聖地である韓国・清平に7年間留学。 19歳で帰国し独り立ちすると、韓国よりも日本は献金や純潔教育(恋愛禁止)が徹底されていたことに嫌気が差し、距離を取っていたという。そんな折に、あの事件が起きた。