近年、急増している大麻由来の製品。 CBDのように量販店で売られている合法モノから、規制とイタチごっこを続ける脱法モノまで様々だが、これらの中には「シモにくる」、つまりセックスの効果を増進させることを売りにしているものもある。アメリカ医師会が認定する大麻医学の教育コースを修了し、大麻製品のさまざまな活用法について啓蒙している女性セラピストのAさん（仮名）に聞いた。 「市販されている合法大麻製品で”キメセク”ができるのか、と試す人はとても多いですが……まず、キメセクって人によって解釈が本当に違って、中には神聖な儀式のように捉えている人もいます。ですから、私の解釈で『これがキメセクだ！』と断定してしまうと、キメセク警察が飛んできて戦争になりかねませんので、今回はとりあえず『大麻製品を使ったことにより、セックスで正気を失うほどイキまくる』ことを“キメセク”と定義してお話します」 本題へ入る前に、Aさんは「大麻とセックス」の関係性についてこう解説する。 「そもそも、大麻に含まれるカンナビノイドという成分は、媚薬のような効果を持つのか？　という疑問についてですが、結論から言うと『大麻経験者の多くが「大麻はセックスと相性が良い」と答えるけど、大麻が人間のセックスの質に直接影響するかどうかは、まだ医学的に証明されていない』というのが現状です。ただ、動物実験や関連研究などで、大麻経験者のいう“相性の良さ”に説得力を持たせるデータはいくつか出ています」 「たとえば、これまでの研究によって、カンナビノイドは血管を弛緩させ、拡張させることがわかっています。血の巡りが良くなれば、男性ならチンポが勃ちやすくなるし、女性も膣やクリトリスの感度が上がるといった効果を期待できます。 また、カンナビノイドは抗不安作用を持つことも明らかになっています。女性のオーガズムは、外部の刺激よりも精神面によるところが大きい。そのため、大麻製品は、セックスに対する潜在的な不安を和らげるために有効といえます。 さらに、1970年代にマウスを用いて行われた実験では、少量の大麻成分が性欲を強化させ、逆に大量摂取すると何の影響もなくなるということがわかっているんです。要は、キメすぎるとセックスどころじゃなくなるわけですね」