「公約は言葉遊びではない」前明石市長・泉房穂氏が採点する小池都政の8年間

 2期8年、都政の頂に君臨した女帝・小池百合子。3期目の座を懸けて挑む今回の都知事選を、有権者はどう捉えるべきなのか――。SPA!では、4人の有識者に「8年の小池都政」の“採点”を依頼した。  本記事では、前明石市長の泉 房穂氏による通信簿の結果をお届けする。

日本で唯一の“大統領”選挙

小池百合子[女帝8年]の通信簿

前明石市長の泉 房穂氏。「都知事は国政をも動かせる存在。この点が他の首長とまったく違う!」

 都知事選は、単に自治体の首長を決める選挙ではありません。東京都の予算はスウェーデンやチェコなどヨーロッパの一国並み。国から交付税をもらっていない唯一の都道府県で、国の指示に従わなくてもいい。  つまり、都知事は1400万人の都民をダイレクトに率いる日本唯一の“大統領”なんです。  そして東京都が動けば、国も動く。’22年10月、明石市長だった私は、児童手当を市独自の予算で、所得制限を撤廃し、18歳に引き上げた。全国初の試みも、報じたのは関西のローカルニュースだけ。  それが翌月、小池氏が0歳から18歳以下の都民1人に月5000円支給を発表すると、瞬く間に全国ニュースに。政府も「異次元の少子化対策」の目玉として、児童手当の所得制限撤廃と18歳までの引き上げを後追いするしかなかった。  明石でいくら私が子育て支援策を拡充しても、ニュースにならないばかりか、国からは「お仕置き」や「嫌がらせ」で補助を減額されていた。なのに、東京都知事が同じことをやると国が追随する。  都知事は国政をも動かせる存在だということです。