乙武洋匡氏に聞いた、小池都政8年の点数は?「ドライに見えて、お茶目な人なんです」

 2期8年、都政の頂に君臨した女帝・小池百合子。3期目の座を懸けて挑む今回の都知事選を、有権者はどう捉えるべきなのか――。SPA!では、4人の有識者に「8年の小池都政」の“採点”を依頼した。  本記事では、乙武洋匡氏による通信簿の結果をお届けする。

カイロ大学卒業は証明済み……「排除」しないユリコ発信を!

小池百合子[女帝8年]の通信簿

乙武氏は衆院東京15区(江東区)の補選を小池都知事と共に戦った

 まず断っておくと、私はいま都民ファーストの会副代表として小池さんを応援していく立場で、そこを踏まえての評価になります。  ただ、いち有権者として見ても小池都政の2期目は、大きな失点はなかった印象です。あえて点数をつけるなら90点。  一番顕著な実績は、「7つのゼロ」の公約でも掲げた待機児童の解消。任期開始時の待機児童数と比較すると、激減している。厳密にゼロでなくとも、「ほぼゼロ」とはいえるでしょう。  もう一つ感銘を受けたのは、卵子凍結への助成金制度。キャリアを優先して出産の機会をあきらめざるを得なかった女性たちに向き合った。  「少子化対策」が叫ばれる中で非常に理にかなった制度で、多様性ある社会実現を目指す私の考えとも合致します。  選択的夫婦別姓制度の導入について経団連から提言を受けても「家族の一体感が」などと前時代的なことを言って拒む岸田総理とは違う政治家としてのセンスを感じます。  明治神宮外苑の再開発問題は、これ、そもそも私有地である「内苑」の森林を守るために「外苑」の商業化で財源を捻出していこうという話。  ところが、「反対派」は「自然を大事にしろ」の一点張りで、ではどうやって内苑の維持費を賄うか、という問いには答えようとしない。原発の是非論だけに終始して本質的な議論を避ける「原発反対派」と通じるものを感じる。