自治体が婚活サービスをする必要はあるのか?関連企業が潤うだけ、という声も

 話題になった東京都のマッチングアプリ開発をはじめ、今では全国各地の自治体で結婚支援が実施中だ。果たして官製婚活で結婚した男女は幸せになれたのか?リアルを追跡!

自治体が熱視線を送る「メタバース婚活」の実態

[官製婚活した人]の肖像

出雲市が主催した仮想空間での婚活パーティの様子(パーソルマーケティング@GAIA TOWN)

 スペックやルックスで優劣がつく婚活に新しい風が吹いている。それが仮想空間でアバターに扮するメタバース婚活だ。自治体の企画運営をするメタバース婚活協会代表の高須美谷子氏が話す。 「運営開始した1年半の間に、19の自治体で293人が参加しました」  協会が企画する全4回のプログラムは、1回目に利用方法をレクチャーし、2回目でアバター姿の婚活パーティを行う。  年齢や年収・職業などの情報は一切提供されないのが特徴だ。3回目で仮想空間をアバター姿でデートし、4回目で初めてリアルで会うことになる。 「不思議なのは、リアルで対面したときに『イメージ通りだった』という人が多く、そこで不成立になるのは少数。一部の人に人気に偏っていた婚活が、メタバース婚活では分散するので多くの人にチャンスがあります」

人柄アピールのしやすさが魅力

 メタバース婚活は官製婚活と相性がいいという。 「身バレリスクがないので、人間関係が密な地方の人も参加しやすい。また、遠方でも参加可能なので、自治体には移住誘致の機会にもなります」  島根県出雲市役所の縁結び定住課の岡敬一郎さんは、昨年7月にメタバース婚活を実施し、手応えを感じたという。 「リアルな婚活パーティでカップリング率2~3割だったのが、メタバースとリアルを合わせた婚活だと6割超。人柄だけで相手を選ぶ過程は、意外にも人の温かみを感じます。親密度の高いカップルが生まれやすく、結婚に結びつきやすいと期待しています」