性的欲求を解消するサービスや、性交渉を持つことが違和感のない婚姻関係においても不同意性交は成立する。どういうケースが当てはまるのか解説していく。 　前回、パパ活やギャラ飲みなどの場面において、性犯罪の容疑者とならないための心得をお伝えしました。しかし、思わず理性を失ってしまう男性が後を絶たないのが、性的サービスを前提とした性風俗や、女性との密着が想定されるマッサージやメンズエステなどの利用時です。 　実際、不同意性交等罪・わいせつ罪に罪名が変更された昨年7月以降、そうした業態において女性従業員が性被害を訴え、顧客の男性が逮捕されるというケースが相次いでいます。 　例えば昨年9月に兵庫県で、デリバリーヘルスの女性従業員に対し、同意を得ずに性交した疑いで40代の男性が逮捕されました。 　報道によれば、被害女性は「本番はあかん」と拒絶したようですが、男性が行為を続けたため、現場から退出。直後に、店側からそれを追及され恐怖を感じた男性が自ら警察に通報したところ、性加害の事実が明らかとなり逮捕に至ったそうです。 慶應義塾大学法学部・同法科大学院を卒業後、加藤・浅川法律事務所代表弁護士。投資被害の救済を専門として数々の詐欺事件の集団訴訟（原告側）を担当。最近ではサッカー選手・伊東純也氏の性加害疑惑で伊東氏側の弁護を担当