性的暴行の疑いで逮捕されたサッカー選手は、なぜ不起訴になったのか?弁護士が教える「間違えない男女交渉」最終回
昨年、不同意性交等・わいせつ罪が新設されて以降、毎日のように同罪での逮捕事案が報じられているが、不起訴になるケースも多い。いったいなぜなのか。
今回で最終回となる本稿ですが、連載開始から3か月足らずの間にも、世間では不同意性交による事件が次々と起きました。それもそのはず、警察庁の統計によれば、1~5月の不同意性交等罪の認知件数は、前年同期(強制性交罪)に比べ、約2倍に増加しているのです。
一方で、不同意性交等・わいせつ罪の容疑で逮捕されたのちに不起訴処分となったケースも数多く存在します。
私が代理人を務めたサッカー日本代表の伊東純也選手の事案も、先日、不起訴処分となりました。
最近でも、同じくサッカー日本代表だった佐野海舟選手のケースがありました。佐野選手は7月、知人の男性2人とともにホテルで女性に性的暴行を加えた疑いで逮捕されていました。
結果的に3人とも不起訴処分となりました。複数の男性の関与が疑われる事案は、旧集団強姦罪からの流れで警察がより積極的に捜査を行うことや、第三者の行為を現場にいながら看過しただけでも逮捕される可能性があることは、本連載の第4回で指摘したばかりです。佐野選手が本連載を読んでいれば、逮捕されることはなかったのかもしれません。
慶應義塾大学法学部・同法科大学院を卒業後、加藤・浅川法律事務所代表弁護士。投資被害の救済を専門として数々の詐欺事件の集団訴訟(原告側)を担当。最近ではサッカー選手・伊東純也氏の性加害疑惑で伊東氏側の弁護を担当
短期間でも相次ぐ不同意性交による事件
嫌疑をかけられた側が「同意の存在」を立証しなければならない
慶應義塾大学法学部・同法科大学院を卒業後、加藤・浅川法律事務所代表弁護士。投資被害の救済を専門として数々の詐欺事件の集団訴訟(原告側)を担当。最近ではサッカー選手・伊東純也氏の性加害疑惑で伊東氏側の弁護を担当
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