出世していたのに…50代で突然うつ病になった理由。職場の3大“うつリスク”とは

職場では降格人事、給与カット、ハラスメント告発などのリスクにさらされ、家庭では夫婦不和、介護、更年期障害や健康不安に苛まれる50代たち。現代の中高年を襲う強烈な孤独感と不安の実態に迫った。

40代後半までは充実したサラリーマン人生を歩んでいたが…

急増![メンヘラ中年]の壁

現在は「出世は諦めたが、持ち前の語学力を生かしたエキスパート職でポジションを築けている」と語る

パワハラ告発 谷川 聡さん(仮名・50代) 電機メーカー勤務 「部下からのハラスメント告発によって出世への道が絶たれ、うつ状態になりました」 そううなだれるのは、谷川聡さん(仮名・50代)。バブル期に大手電機メーカーに入社し、出向元では部長級レベルに昇格するなど、40代後半までは充実したサラリーマン人生を歩んでいたという。 「自分でいうのもなんですが、同期トップとまでいかずとも出世レースには勝ち続けており、本社に戻れば部長職も狙えるポジションでした」 転機は3年前に遡る。 「当時、一般職だった女性部下が総合職に職種転換を希望していたんです。僕も“よかれ”と思い、少し難易度の高い業務をあえて彼女に振りました。しかしそれを彼女は重荷と感じていたようで、後日、パワハラ告発をされてしまったんです」 社内ではすぐに聞き取り調査が行われ、弁解むなしく谷川さんは“クロ認定”された。 「なぜ愛情をもって指導した部下から告発されなくてはならないのか。出世の目が完全に閉ざされ、会社員人生の“幕”が下りてくるような感覚でした。自分を守ってくれなかった会社にも、当時は腹が立ちましたね」 ほどなくして、谷川さんはうつ状態に陥ってしまう。