仕事

知られざる“珍仕事”にも後継者不足。人を育てている余裕がない中小企業の問題も

世の中には、率先して人がしたがらない職業がある――。生半可な気持ちでは務まらない過酷な仕事をなぜ続けられるのか。超売り手市場の人材がすぐ辞めていく時代において、人が辞めない秘訣は、珍しい仕事現場にこそあった! これまで珍仕事を紹介してきたがその多くは中小企業だ。そんな中小企業が抱える課題について専門家に聞いてきた。

“珍”仕事存続には人材育成がものをいう!?

珍仕事の[人が辞めない]秘訣

石渡嶺司氏

“珍”仕事はニッチな需要に応えたものが多いため、大企業よりも中小企業に偏りがちな傾向がある。人材育成上、どのような課題が生まれやすいのか。企業の採用事情に詳しいジャーナリストの石渡嶺司氏は、こう指摘する。 「大企業であれば半年~1年の研修期間で新人を育成し、適性のある部署に配属することも可能ですが、中小企業はそうもいきません。特に職人要素の強い仕事の場合は、講義形式で一律に何かを教えることが難しい場合がある。そもそも教える人材自体が枯渇しており、採用担当が育成担当を兼ねているケースも少なくはないため、結果的にはОJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で済ませてしまう会社も見受けられるのが現状です」 予算も人員も限られてはいるものの、それでも中小企業が研修を実施することには意味があると石渡氏は続ける。