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“すぐ辞める若者”が激変!他社を経験させる「社外留学」は、なぜヤル気に火をつけるのか

「人手不足で採用基準は年々緩くなっている。今までなら入社してこなかった人材が大量に入ってくるようになりました」こう嘆くのは大手企業の教育担当者。’25年3月卒業の大学生の就職内定率は92.6%。超売り手市場のなか、今年も大量の新社会人が誕生する。若手社員のトンデモ言動に困惑する声が聞かれるようになって久しいが、若手育成の難度は上がるばかりで、今やお手上げ状態の企業も珍しくない。コミュニケーションの齟齬は本当に世代の違いなのか、採用した企業が悪いのか。組織や周囲に“害”を及ぼしてしまう新社“害”人の実態に迫った! 若害の定義 ①「お客さま」体質で業務遂行 ②無責任な迷惑行為を多発 ③仕事の価値は自分が基準

若者とベテランを混ぜた社外留学の効果

[若害]の激ヤバ実態

さまざまな企業に社外留学をした経験者たちの交流会。「留学先の若手社員の成長スピードに刺激を受けた」という中高年の声も寄せられた

大手企業の社員をベンチャー企業などへ派遣する「他社留学」や、自分の専門知識や経験を生かした社外活動「プロボノプログラム」で、若手を“益”に育成する方法がある。このサービスを’18年より展開しているのは人材サービスを手がけるエッセンス代表取締役・米田瑛紀氏だ。 「若い世代はキャリア形成への意識が高く、これまでだったら辞めないような大手企業でさえも入社3年以内に退職する例も珍しくない時代です。そして大手企業ではどうしても井の中の蛙になりがちですが、管理された環境で『大海』を見てもらうことで、自社の強みや自己の市場価値を改めて確認できるというメリットがあります」 プログラムは週1日から週5日のフルタイムのものまで、期間も3か月から2年と幅広い。参加者のニーズに応じて、500社以上の候補から留学先を選定する。 「派遣元の『送り出し企業』には、大手自動車メーカー、金融機関など産業構造の変化に直面する大企業や経済産業省などの公的機関が名を連ねます。大手企業の中には20代の若手と40~50代のベテランの老若混合で留学させるケースもありますよ」

異世代との協働体験が「若害」打破のカギに