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「屋上から飛び降りてやろうかって」いじめに苦しんだ少年時代、家庭崩壊…中年を過ぎてブレイクした芸人・チャンス大城(50歳)が振り返る半生

 地下よりも深い……地獄から這い上がった、いや、芸能界を成り上がったと称しても過言ではないだろう。語るエピソードも、芸風も、その衝撃は視聴者を鷲掴みに、笑撃へと昇華する。芸歴35年、中年を過ぎてブレイクを果たした男が旧知の先輩に、その本心を語った──。

「サウザー」のあだ名を持ついじめられっ子

エッジ050613 ピン芸日本一決定戦『R-1グランプリ2025』に歴代最年長の50歳で決勝進出、『水曜日のダウンタウン』や『ラヴィット!』に出演すれば、その強烈なキャラクターで話題をさらっていく──。  芸歴35年目にして地下芸人から這い上がってきた男・チャンス大城。彼を形づくった、壮絶すぎる半生とは? 大城と旧知の仲であるデザイナーのMUNE氏がつまびらかにする。 ──大城君とはずいぶん昔から付き合いがあって、僕が主催するお笑いライブにも出演してくれたりしたよね。でも、こうやってインタビューするのは新鮮。幼少期はクリスチャンだったってことは知っているけど。 大城: アントゥニウスっていうクリスチャン・ネームがありましたね。日曜のミサにも出てて、聖歌隊の中に一人だけとんでもないダミ声がいると思ったら、父親で。結局、聖歌隊メンバーから干されちゃったみたいですけど(笑) ──クリスチャンってことは意外とお坊ちゃまだった? 大城: いや、全然そんなことないです。父親はブラジャーの金具工場で働いていて、特に裕福ではありませんでした。実家がある尼崎は治安も良くなかったし。僕、心臓が右についているんですよ。だから当時のあだ名が『北斗の拳』に出てくる「サウザー」。  勝手に強いと思われて、噂を聞きつけた隣町の番長が喧嘩を売りにきたくらい、やんちゃな地域でした。

いじめに苦しむ少年が「お笑いやろう」と決意するまで