仕事

「同情したのが失敗でした」常連客を雇用した結果、修羅場に…毎回“深夜に”業務連絡をしてくる理由にあ然

 いまや退職はビジネスと化している。制度を悪用して1円でも多くぶんどって辞めようとする退職者を助長する退職コンサル業者。そこに対抗して予防線を張る経営者——。退職をめぐる“仁義なき争い”の実態を追った!

パワハラをでっち上げられ、敗訴。口座まで売られる

泥沼[退職バトル]の舞台裏

「補助金追跡システムや、精神疾患診断のレビュー体制など、不正を許さない仕組みを作るべき」と上林さん

 関西で飲食店数店舗を経営している上林絵美さん(仮名・51歳)は、店の常連客だった社員Bを雇用した。 「困窮ぶりを聞いて、同情してしまったのが失敗でした」  Bには会社の経理を任せたが、そのうち出勤しなくなり、連絡も途絶えるように。そしてなぜか毎回、深夜に業務連絡をしてくるのだった。 「思えばそれは、Bのバックにいた人間の入れ知恵で『業務過多で夜遅くまで働かされていた』と主張するためのものだったんです」  上林さんはBを業務怠慢を理由に解雇。しかしBはこれを不当として労働裁判を起こし、上林さんからのパワハラがあったと主張。結果として、上林さんは敗訴する。  その上、Bは上林さんの法人口座の一つを勝手に売却していた。