「俺の人生ってもっと楽しいはずでは?」成功体験を積むたび心が不感症になっていく――小説『まだおじさんじゃない』【第一章・第四話】/鳥トマト
―[連載小説『まだおじさんじゃない』]―
いつの間に若者ではなくなったのだろう。39歳、年齢的にはおじさんである。でも「おじさん」と呼ばれることに抵抗感を覚えるのはなぜだろう――。出版社で漫画編集者として働く若林は仕事後、馴染みのバーで担当作家・ヒルビリー真中の「前の担当」を騙る男に遭遇。彼とマスターの会話に耳を傾けながら、自らの入社当時を思い返す。
「最初はいつだってワクワクしたものだった。これから一生、このうっすらとした倦怠感と既視感を抱えたままやっていくのか」――。『東京最低最悪最高!』が話題の人気漫画家・鳥トマトが自称“ベテランの若者”の心の惑いを描く。


