「僕は“家庭”という組織の歯車になったんだ」素敵なパパを演じ、本音に蓋をする――小説『まだおじさんじゃない』【第二章・第一話】/鳥トマト
―[連載小説『まだおじさんじゃない』]―
結婚してからの僕は、まるで「完璧な家庭」という演劇の役者になったかのようだ――。アニメプロデューサーとして働く堅山賢一、39歳。家族で大阪・関西万博を訪れた休日、子供のわがままを受け流し、無理やり笑顔を作る。
「今年三十九歳の僕は、名実ともに、もう立派なおじさんなのだから」――。『東京最低最悪最高!』が話題の人気漫画家・鳥トマトが“大人にならなければ”と自らを戒める中年の心の惑いを描く。


