「僕は使い捨ての道具のように扱われる“傭兵”だ」会社での日々にドス黒い感情が湧き上がる――小説『まだおじさんじゃない』【第二章・第三話】/鳥トマト
―[連載小説『まだおじさんじゃない』]―
結婚してからの僕は、まるで「完璧な家庭」という演劇の役者になったかのようだ――。アニメプロデューサーとして働く堅山賢一、39歳。自身がアニメ化を担当する『私の理解あるカレ君』の第一回製作委員会に出席し、同い年のマンガ編集者・若林、中途入社の後輩・山野、バツイチの部長・猿渡と顔を合わせる。
「僕も五十歳になったときに、部長のような力を維持できているだろうか」――。『東京最低最悪最高!』が話題の人気漫画家・鳥トマトが“大人にならなければ”と自らを戒める中年の心の惑いを描く。


