「若いなあ」11歳年下の後輩社員に息子に近い存在のように感じる/小説『まだおじさんじゃない』【第二章・第四話】/鳥トマト
―[連載小説『まだおじさんじゃない』]―
結婚してからの僕は、まるで「完璧な家庭」という演劇の役者になったかのようだ――。アニメプロデューサーとして働く堅山賢一、39歳。自身がアニメ化を担当する『私の理解あるカレ君』の第一回製作委員会に出席し、同い年のマンガ編集者・若林、中途入社の後輩・山野、バツイチの部長・猿渡といったメンバーと日々仕事をこなしていく。
部長のどうでもいいこだわり、と若者たちの「軽さ」に翻弄される毎日――。『東京最低最悪最高!』が話題の人気漫画家・鳥トマトが“大人にならなければ”と自らを戒める中年の心の惑いを描く。


