甘いのはクレープだけ!?学芸大学駅近くにあるガレット&クレープ店『ポポット』で感じた接客のあり方/カツセマサヒコ
ただ東京で生まれたというだけで何かを期待されるか、どこかを軽蔑されてきた気がする――そんな小説家カツセマサヒコが“アウェイな東京”に馴染むべくさまざまな店を訪ねては狼狽える冒険エッセイ。今回は、学芸大学駅近くにある人気のクレープ店。ラーメン二郎を経験したばかりの気を大きくした著者は「店員が厳しい」とも噂の同店を訪れたのだった。
はたして、どのような出来事が起こるのか。願いは今日も「すこしドラマになってくれ」
学芸大学駅の近くに、とびきり美味しいガレットとクレープを出す人気店があるという。ただし店員さんが厳しいから、怒られるかもしれないとも聞く。
こちらは「ラーメン二郎」を乗り越えたばかりなので、少し気が大きくなっている。クレープ店が二郎より怖いことはないでしょうよ、と見栄を張り、学芸大学駅で降りる。
5分ほど歩く。広い歩道が、学芸大学という街の豊かさや余裕を感じさせる。住宅も増えていく途中に、ガレットとクレープの店「ポポット」はある。勝手にファンシーな外観を想像したが、どちらかといえば硬派なビストロのような空気を醸す。
入り口の横にある、張り紙に気付く。店内での待ち合わせはNG。中学生以下の来店はNG。会計は現金のみ。媚びない姿勢が勇ましい。
ランチタイムも過ぎ、さすがにすいていると予想したが、店内は満席で、店の向かいの椅子で待つように言われる。
1986年、東京都生まれ。小説家。『明け方の若者たち』(幻冬舎)でデビュー。そのほか著書に『夜行秘密』(双葉社)、『ブルーマリッジ』(新潮社)、『わたしたちは、海』(光文社)などがある。好きなチェーン店は「味の民芸」「てんや」「珈琲館」
甘いのはクレープだけで【学芸大学駅・ポポット(ガレット&クレープ店)】vol.16
1986年、東京都生まれ。小説家。『明け方の若者たち』(幻冬舎)でデビュー。そのほか著書に『夜行秘密』(双葉社)、『ブルーマリッジ』(新潮社)、『わたしたちは、海』(光文社)などがある。好きなチェーン店は「味の民芸」「てんや」「珈琲館」



