更新日:2026年01月09日 20:22
ライフ

どこか虫の好かない『オーガニックパン弁当』にスープを足すと絶品に<人生最後に食べたい弁当は?>/久住昌之

『孤独のグルメ』原作者で、弁当大好きな久住昌之が「人生最後に食べたい弁当」を追い求めるグルメエッセイ。今回『孤独のファイナル弁当』として取り上げるのは、どこか虫が好かない無農薬無化調至上主義のスーパーで売っていた『オーガニックパン弁当』。果たして、お味はいかに?
孤独のファイナル弁当

オーガニックなミックスサンド、オーガニックなスープ、オーガニックな飲み物。けれど、おいしいのは「オーガニックだから」じゃない、作り手のセンスが輝いているからなのだ

孤独のファイナル弁当 vol.08 「ちと虫が好かん オーガニックパン弁当」

 午前中にすることがたくさんあって、朝食わず仕事場に来た。朝昼兼用飯は近所のオーガニック系スーパーで買った「ひとくちミックスサンド」(428円)にした。俺は別にオーガニックとかにこだわらない。つーかそういうのや無農薬無化調至上主義はどこか虫が好かん。どっちもありでいい。  暑いので「トマトとキヌアの冷たいスープ」(348円)も初めて買ってみた。  ひとくちサンドは器の開け口を手前にして、左から卵、ポテサラ、蒸し鶏と紫キャベツというのが2回繰り返されている。リフレイン。音楽的だ。コレを楽譜と考えれば、左から右に食べてくのが自然だ。  まず卵サンドだ。この店の卵サンドはおいしい。それは知っている。市販の卵サンドというのはどこかぞんざいなものが多く、「おいしいのかおいしくないのか」あまり考えないで食べていることが多かった。だがここのを食べたら「…んん? コレおいしいゾ」と、目が覚めた覚えがある。って今まで眠って食べてたのか俺は。

1958年、東京都出身。漫画家・音楽家。代表作に『孤独のグルメ』(作画・谷口ジロー)、『花のズボラ飯』(作画・水沢悦子)など。Xアカウント:@qusumi