仕事

「出たとこ勝負」で生きる新時代の無職。生成AI普及で広がる“LLM無職”という働き方

世代を問わずに働き方が多様化する昨今、積極的に「無職」という生き方を選び、ストレスフリーな生活を送る人が増えている。「仕事に縛られず、もっと自由に生きたい」そんな心の声を受け入れた先には、どんな暮らしが待っているのか――。

直感的にAIを仕事にしたいと思った

もう仕事に縛られない![無職が楽しい]の新潮流

マイクを手に講演を行う清水さん。現在、AIに関する企業や学生向けの講演活動が収入の柱の一つとなっている

生成AIの普及とともに「LLM無職」という言葉が広まっているのをご存じだろうか。定職に就かず、生活の大半をLLM(大規模言語モデル)など、目まぐるしく進化する生成AI関連の知見蓄積を仕事に変える人を指す言葉だ。 「基本、出たとこ勝負ばかりを繰り返してきましたね」 そう笑うのは、大手通信施設会社などを経て2年前にLLM無職の道を選んだ清水れみおさん(35歳)だ。 「新卒の頃は『課長 島耕作』を読んで、バリバリ仕事するぞと意気込んでました(苦笑)。1社目の仕事は携帯電話の基地局を造るプロジェクトマネジャー。やりがいはあったものの、年功序列のインフラ会社で短期的に評価してもらえないのが不満で、上司とウマが合わなかったのもあり、勢いで会社を辞めました」 ちょうどその頃、運命的な巡り合わせが訪れる。 「’18年末にドコモのイベントで初めて出合ったAIがあまりにも衝撃的で。『これは絶対面白い!』と直感して、仕事にしたいと思ったんです」

ストックオプションを食い扶持に無職を謳歌