「35年ひきこもった59歳」が両親殺害。介護うつから心中まで…中高年ひきこもりが抱える「見えない苦悩」
80代の親が50代の子供の世話をするいわゆる「8050問題」が深刻化している。’25年には団塊世代の全員が後期高齢者となり、引きこもりの子供を残したまま、親が亡くなるケースが増加しているのだ。
内閣府の’22年度の調査によれば、15~64歳のうち推計146万人、実に50人に1人が引きこもり状態(半年以上にわたって家庭にとどまり続けている状態)。年齢別は、40~64歳の引きこもりが約85万人と大きな割合を占める。
そんな働けずに社会から離れたまま年を重ねた引きこもりたちに今、「親の死」という現実が迫っている。引きこもり状態を金銭面で支えてきた親の死後、彼らはどんな現実に直面するのか?
社会との繫がりを断った「大人の引きこもり」が親亡き後に辿る過酷な現実に密着した。
80代の親がひきこもった50代の子の生活を支える「8050問題」が持ち上がったのが’10年代後半。今や「9060問題」と状況が深刻化するなか、ひきこもり状態の中高年は親が存命でも、大きなリスクを抱え込む可能性を孕む。ジャーナリストの池上正樹氏が解説する。
「高齢で要介護になった親を、中高年のひきこもり当事者が面倒を見るオールドケアラーは数多くいます。しかし、この世代の親はプライドが高い人が多い。世間体を気にして介護サービスを家に入れたがらず、世帯ごと孤立する傾向が見てとれる。
その場合、子供の負担は重くなり、追いつめられて介護うつを患ったり、最悪の場合、介護の苦労と将来への不安から絶望して、介護殺人や心中に発展することもある。近年、ヤングケアラーが注目されていますが、ひきこもり状態の中高年が孤立し、悩みを抱え込むオールドケアラーにも措置が必要です」
実際、’21年には福岡で35年もひきこもっていた59歳の息子が、80代の両親を殺害した事件が発生。同様の事件が散発している。
親が存命でも大きなリスクが…
![親の死後を生きる[引きこもり中年]の苦闘](/wp-content/uploads/2025/10/8a0151ffa433ef8c7cff352c4188a278-3-550x367.jpg)
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