月収9万円で家賃4万2000円…それでも「今のところから抜け出せない」“住居貧困”に陥った60歳男性の孤独
―[[70歳破産]の悪夢]―
晩婚化と高齢化に物価高や金利上昇が重なり、70歳前後で破産の危機に瀕する人が増え続けている。長く働いて稼ぎ続けるという解決策もあるが、実際にはシニア再就職市場は超狭き門。経済的不安に加えて病気や家族の問題まで抱える高齢者たちの現実を追った。
うつ病でフルに働けず年収100万円に
「家賃で収入の半分以上が飛ぶのでもっと安いところに引っ越したいのですが、収入も蓄えもなさすぎて……」
肩を落としながら話すのは東京都住宅供給公社が提供する家賃4万2000円の物件に暮らす多賀康夫さん(仮名・独身・60歳)だ。40代までは中小運送会社に勤めたが、職場のパワハラでメンタルを病んでしまい、休職を経て退職。その後はどの職場でも長時間働けなくなってしまい、休職と転職を繰り返してきた。
「今は年金の繰り上げ受給を考えていますが、病気で休職していた時期が長いので、おそらく月5万円ももらえないでしょう。今は体調がいいときだけ、スポットの運送バイトをやって月8万~9万円の収入を得て細々と暮らしています。
出費を減らすために家賃3万円ぐらいの物件に引っ越したいけど、両親は亡くなっていて弟とは連絡を取っていないので、保証人になってくれる人がいない。収入が低すぎて審査にも通らないから、今のところから抜け出せないんです……」


