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「とっさにクマの手を取って背負い投げしました」ムツゴロウさんの後継者が教えるクマ撃退法

死者数が13人に上るなどクマ被害が過去最悪を記録している。さらに冬眠しないクマの増加も予測され、年末年始も警戒が必要だ。“もしもの時”に備え、クマの生態に詳しいプロから対応策を聞いた。

猛獣使いのクマの対峙法

[クマvs人間]ガチンコ撃退術

動物研究家のパンク町田氏

あまたの体験談からわかるように、「遭遇しない」ことが、最大のクマ対策であることは間違いない。それでもバッタリ遭遇してしまったのなら……? トラやライオンなどを手懐けてきた猛獣使いに、クマとの対峙法を伺った。 「ヒグマは戦いようがない。でも、ツキノワグマなら抗いようがある。アメリカでも『黒は闘え。茶は逃げろ』という格言があります。ツキノワグマと大差ない、体長1.3mほどのアメリカクロクマなら闘えるが、ヒグマの亜種で大きな茶色のクマは逃げるほかない、という意味」 こう話すのは、あのムツゴロウさんの後継者とも言われる動物研究家のパンク町田氏。実は、過去にクマに襲われて撃退した経験があるという。 「私が運営する『アルティメット・アニマル・シティ』には犬やフクロウ、ナマケモノ、アザラシなど今でも150種類以上の動物がおり、そこで人と動物の共生の仕方を探っています。動物愛護管理法に基づく特定動物の飼育許可を有しており、トラやライオンなどの猛獣も管理できます。そんな私を頼って、ある富裕層が“飼っているツキノワグマ”の管理を私にお願いしてきたことがあるのです。自宅にお邪魔すると、確かに主にはよく懐いたクマでした。 ところが、私が檻の中に入って清掃していたら、背後から襲いかかってきた。しゃがみ込んでいた私の肩にクマの爪が伸びてきたので、とっさにその手を取って背負い投げしました。実はクマはすべての手足が地面から離れることを嫌う傾向にあります。だから、そのクマも投げられ、背中から落とされたあとは、驚いて私から距離を取るようになりました」 実は、子持ちクマ、傷負いクマと並んで、“人飼いクマ”はマタギの間でも「3大危険クマ」として知られる。パンク氏は「トラやライオンと比較して、子グマ時代からしつけても人と友好関係を築きにくい」と話す。その認識があったため、柔道経験者のパンク氏は警戒を怠らず、投げを打つことができたという。

イノシシには実践済み。横っ面を蹴る防御法

※実際に襲撃された場合、どこまで抗えるのか。どこを狙えばクマは怯むのか。そして、どうすれば一瞬の隙をつくり命を拾えるのか――。有料記事後半では、パンク氏が明かす実践的な撃退術の核心に踏み込む(残り:1162文字)