更新日:2026年05月08日 16:52
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『孤独のグルメ』原作者が「おにぎり」の具に迷う。人生最後に食べるならと悩んで選んだ2個/久住昌之

『孤独のグルメ』原作者で、弁当大好きな久住昌之が「人生最後に食べたい弁当」を追い求めるグルメエッセイ。今回『孤独のファイナル弁当』として取り上げるのは「おにぎり」。果たして、お味はいかに?
「おにぎり2個と味噌汁弁当、だが」

「おにぎり2個と味噌汁弁当、だが」

孤独のファイナル弁当 vol.23 「おにぎり2個と味噌汁弁当、だが」

 今、御茶ノ水の名酒センターという酒屋にて、ボクのイラスト展をやっている。(※編集部注:執筆時の状況、現在は終了しています)  その作品搬入の日、お腹が空いていたので駅の近くのおにぎり屋で、おにぎり2個を買い、コンビニでカップ味噌汁を買った。  ところが仕事場に着いた途端、作品を運ぶ車が到着してしまい、結局味噌汁は作らず、おにぎりは車の中で食べた。  おにぎりを買う時「あ、このおにぎりをファイナル弁当にしよう」と思った。  そしたら急におにぎりの具のセレクトに考え込んでしまった。これが一生の最後の2個だとしたら、何おにぎりを食べるべきか?  定番のシャケか。しかし、ファイナルに定番の必要はあるのか? あるはずがない。  一番よく食べるのは最近何周かして梅干しだ。何周、というのは自分でお金を出しておにぎりを買うようになってからだから、もう40年以上になる。40年もの間、俺はおにぎりを買う時迷い続けてきた。絶対焼きたらこを入れていた時期もあった。それが明太子に取って代わられ、また焼きたらこに戻って、今もたらこは好きだ。でもたらこを買って、もう一個を梅干しにすることも増えた。  梅干し、ごはん、海苔、このシンプルな組み合わせに今立ち戻って、俺の食欲が梅干しおにぎりを欲している時期かもしれない67歳。  だけど、平均して最近よく買うおにぎりでいいのか、ファイナルが。自分にとって「平均」が正しいか? 違うだろう。

1958年、東京都出身。漫画家・音楽家。代表作に『孤独のグルメ』(作画・谷口ジロー)、『花のズボラ飯』(作画・水沢悦子)など。Xアカウント:@qusumi