更新日:2026年05月08日 17:32
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「みんなの年俸を上げてあげたい」棚橋弘至社長が明かす契約更改の苦悩と“辞める選手”への本音

新日本プロレスの人気プロレスラーにして「100年に一人の逸材」と言わしめ、プロレスラーを引退したばかりの第11代社長(’23年12月就任)棚橋弘至が、日々の激務のなかでひらめいたビジネス哲学を綴っていく。今回は「契約更改」について。選手の気持ちも、会社の事情もわかる立場として、棚橋社長は2月の時点で何を思っていたのか。「みんなの年俸を上げてあげたい」――その本音の裏にあった葛藤と、たどり着いた結論とは。以下、当時寄せられた原稿を掲載する。

vol.63 契約更改の季節!“選手兼社長”だった棚橋ならではの悩み

 2月に入りました。新日本プロレスにとっては、1月4日に開催された東京ドーム大会の余韻も消え、新たなスタートを切る大事な時期を迎えました。  一気呵成に盛り上げていきたいところではあるのですが、実はこの1~2月は、社長として、とても悩ましい期間となります。
トップロープより愛をこめて

棚橋弘至 ©新日本プロレス

 それは、選手の契約更改があるからです。  プロレス界において選手は基本的に1年契約の年俸制を取っています。1年間の活躍を評価して、次の年の年俸額を決めるわけです。  僕も現役のときは、血気盛んに、この契約更改に臨みました。会社から提示された額が、自分のその時点での評価だからです。次の1年に対する、モチベーションにも繋がりますからね。  選手として、どういった気持ちで契約に臨むのか……それがわかってしまうので、「みんなの年俸上げてあげたいなぁ」と、どうしても思ってしまいますが、そういうわけにもいきません。会社として予算内での選手のギャラの枠は、おおよそ決まっていて、そこで選手と会社の交渉が始まるわけですね。  本来、この契約更改の場には社長が同席するのが通例ではありますが、僕は今年の頭まで「選手兼社長」だったこともあり、他の選手の年俸額を見てしまうのは、ちょっとデリカシーがない……。なので、今回まで菅林会長にやっていただくことになりました。

1976年生まれ。新日本プロレスの第11代社長(’23年12月就任)。’26年1月4日を以て現役を引退。キャッチコピーは「100年に一人の逸材」