鈴木紗理奈「反対なら山で暮らすべき」攻撃型ドローン導入めぐる発言が物議…本当に問われるべきは“彼女ではない”理由
そろそろコメンテーターという仕事について考えるべき時期なのかもしれません。
ただし、ここで鈴木氏の発言そのものを詳細に分析したり批判したりすることは建設的ではないでしょう。問題は彼女のような人たちを「コメンテーター」という肩書きで、今回の楽天グループとドイツの軍事企業の提携のような、複雑で精緻なロジックを必要とするトピックにも平気で話をさせてしまうメディア環境の方にあるからです。
テレビでの情報番組の隆盛とともに、いわゆる専門家でない人物に何らかの意見を発する場を与えることが「市民目線」という大義名分によって黙認されてきた経緯があります。学者や専門家には世間一般の生活感覚がわからない。だからこそ、「何も知らない代わりに何かを感じられる」ふつうの人の声が必要だ。そんな世間の空気が、コメンテーターという職業に市民権を与えてきたのです。
もちろん、そうした門外漢だからこそ、視聴者の共感を得られる発言ができる側面もあったでしょう。それは学者や専門家がすくい取ることのできなかった社会の情緒や空気を代弁する役割を果たしていました。そうした言葉の持つキャッチフレーズ的な痛快さに、視聴者は拍手喝采してきたのです。
「山で暮らすべき」発言が物議を醸した理由
8月23日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)で、楽天グループがドイツの軍事企業と事業提携をし、国内での攻撃用ドローン導入の支援を展開すると発表したニュースを取り上げました。これについて「楽天カードとか口座を解約しよう」などと批判的な意見が多いことに対する鈴木紗理奈氏の発言が物議を醸しているのです。 憲法9条の自衛権を引き合いに出し、「自衛のために使うんだと言っても戦争の加担になるんですか?」と疑問を呈し、さらに軍事的な技術が家電などの日常生活にも転用されている事実があるにも関わらず、それに反対だと言うなら「山で暮らすべき」と、強い口調で考えを述べました。 これに対してネットでは鈴木氏の意見に賛同する声がある一方、彼女の考え方を危惧する投稿も少なくありません。「こういう事を言うのは、そもそも山で暮らすことを下と見ているのではないか」とか、「人の命を奪う道具で豊かになることに何のためらいも持たないのか」という投稿に多くの共感が集まっていました。 体感的には、Yahooニュースでは鈴木氏支持、XなどのSNSでは反対がそれぞれ過半数を占めているように思われます。 筆者は、鈴木氏が言うように軍事技術の多くが今日の都市生活の利便性を支える土台となっている事実そのものは否定しません。しかしながら、その正しさをもって彼女の主張を支持しようとまでは思いません。彼女の「山で暮らせ」という発言には、やむを得ない合理性の前には理想を放棄しろというニヒリズムが染み込んでいるからです。
問題は鈴木紗理奈ではなく「コメンテーター」という存在
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