【食べログの書き込み】は人間の本性をあぶり出す
5/7発売の週刊SPA!「食べログ評価3.5を疑え!」特集では、中村珍さんの他にも、グルメライターや飲食店関係者などの証言から「食べログ評価依存」の問題点に迫る。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
【中村 珍さん】
‘85年生まれ。漫画家。現在、『コミック@バンチ』にて「アヴァール戦記」、『コミックヘブン』にて「珍萌」連載中。週刊SPA!の新連載「いくもん!」第1回を無料公開中(https://nikkan-spa.jp/427981)。著書に『羣青』ほか
週刊SPA!にて子育て問答漫画「いくもん!」がスタートした漫画家の中村珍さん。実は複数のサブアカを使い分け、食べログにレビューを書き込むヘビーユーザーでもある。
「もともとは好きなお店を応援したかったのと、自分がいつ、どこで何を食べたかを記録しておきたいというのがありました。私、記録癖があるんです(笑)。人から『このエリアならどこがいい?』とオススメの店を聞かれることも多いので」
中村さんのレビューは、料理の味付けや盛り付けに始まり、コストパフォーマンスや目的別の使い勝手、サービスや個室の有無など実に多岐にわたる。
「結局、味って個人の好みの問題じゃないですか。それぐらい曖昧な“食”というものを、どこまで正確に文章化できるか探っているというか、遊んでいる感覚です」
だからこそ、他人が書くレビューを見る目も厳しい。
「私的には3万円、4万円のフレンチより800円の中華定食の評価が高いこともあるんですが、一方で同業他店との相対性を考えず、800円の定食を『安っぽい』と言う人もいる。そんな曖昧な評価が集まった数字を信じ切っている人たちが多いことにシビレます。『星が多いお店に行ったら大したことなかったから、評価は低めです』的な感じで、自ら点数の意味を否定しているくせに、自分でまた点数をつけている。結局、食べログに翻弄されているんですよね」
また、中村さんは「自分が発信する情報の重さを考えず、私憤で店の揚げ足を取る人々もあまりに多い」とも。
「そういう人って、食事ごとのマナーやその街に合ったふるまいがあることに思い至らない。“心のドレスコード”がわかっていないんですよね。だから、結婚相手や一緒に住む相手の本性をあぶり出すなら、ツイッターより食べログのカキコミを見たほうがいい。その人の歴史が滲みますから。まぁ、私は付き合う人は顔重視なので、どうでもいいんですけどね(笑)」
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