美味しいビールで酷暑を乗り切ろう!孤独のグルメ原作者が熊本の名店で『マルエフ』を味わう
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―[孤独のグルメ~食文化応援企画~]―
2021年、28年ぶりにアサヒビールから復刻販売されるや、まろやかな味わいとぬくもりのある世界観が評判となり、完売店が続出した『アサヒ生ビール(通称マルエフ)』。翌年には『アサヒ生ビール黒生』も再登場し、どちらも瞬く間にお茶の間に浸透した。そんな『マルエフ』には、飲食店でのみ樽生の形で継続的に販売されてきた歴史がある。熊本市にある老舗のビアレストラン『オーデン』もマルエフを提供し続けてきた店のひとつだ。今回は、『孤独のグルメ』の原作者であり、ドラマ後のミニコーナーでの飲みっぷりも話題の久住昌之さんが『オーデン』を訪れ、名人が注ぐ『マルエフ』を味わいながら、その魅力や『マルエフ』に合う料理などを伺った。
1985年創業の『オーデン』は、阿蘇山から有明海に注ぐ白川と熊本城公園に挟まれた花畑町にある。手作りのハム・ソーセージやアイスバインといったドイツ料理が名物のビアレストランで、艶のある木の梁を巡らした店内はまるで本場ドイツのビアホールのようだ。
久住:熊本を訪れるのは今回で4回目です。平成から令和に変わる年に、雑誌『旅の手帖』の企画で、神奈川県川崎市にある昭和駅から熊本県熊本市の平成駅まで鉄道旅をしたんですよ。鈍行だったから、滋賀あたりで一泊して、次に山口で一泊して。やっと平成駅に着いたと思ったら、飛行機で帰ってくる。だからなんなんだっていう企画なんですけど、やってみると、だんだん面白かった(笑)。
今は「時短」とか「効率」ばかり言われるけど、各駅停車で、日本を横断していくのって、股旅感があるというか、昔の人の気持ちになってくるんですよ。
熊本の平成駅で、知らない人にシャッター押してもらって写真撮ってね。駅で切符の買い方間違えたら、若い駅員が「よかです」ってニコッと通してくれて、やられましたね。九州に来たんだなぁって強く思いました。やさしくて頼もしい言葉に思えました。
東京だったらせいぜい「今回はいいですが、今後は注意してください」くらいのところ「よかです」。たまらんです(笑)。
ここで、二代目オーナーの村山二郎さんが、『マルエフ』を注いでくれた。よく冷えた専用グラスに勢いよくビールを注ぎ、泡が落ち着いてきたら、粗い泡をそぎ落とし、改めてビールを注ぐ。ふわっと泡が盛り上がった二度注ぎのスタイルだ。
久住:あ~、綺麗な泡ですね。夏にかけて、この時期の土日はお客さんがすごいんじゃないですか?
村山:そうですね。多い時で一日に500~600杯はお作りしています。
そう言って、村山さんは滑らかな動きで久住さんの前にグラスをサーブする。
久住:600杯! 永久運動のようにビールを注ぎ続けているわけですね。では早速一口。あ~、美味しいねぇ。温度も、炭酸の抜け具合もちょうどいいですね。
村山:今日みたいな雨の日は蒸しますから、ビールで喉を潤したいですよね。うちはビールによって注ぎ方や温度を変えていて、『マルエフ』はだいたい6度から8度ぐらいのものを二度注ぎでお出ししています。冷やしすぎると、ビールの味が閉じてしまいますから。
久住:昔ながらのビアホールはキンキンに冷やさないところが多いですよね。僕もこれくらいの温度が、味や香りがくっきりして好きです。ちなみに、泡を取るのに使われていたのは何ですか?
村山:ケーキなどにクリームを塗るパレットナイフです。科学的なことは私も詳しくはわからないのですが、ビールの苦みは泡のほうに溜まるといわれているんです。ですから、最初の粗い泡をこれで取り去ると、ビールの苦みが抑えられて、甘みが立ってくるんです。
久住:なるほど、だから柔らかい味に感じるのかな。奥にあるジョッキのコレクションも面白いですね。(世界のビールやそれに合わせたジョッキが並ぶバックバーを見ながら)。
村山:うちでは常時70種類ぐらいの世界のビールをご用意していて、ベルギーのビールにはそれぞれ専用グラスがあるんです。樽生は9種繋いでいて、「全部、制覇したい」と言ってくださるお客様もいらっしゃいます。常に商品を入れ替えていますので、達成するのはなかなか難しいのですが(笑)。
久住:そんなたくさんの種類を置いてるんですね。よく出るのは、やはり『マルエフ』ですか?
村山:はい。うちの創業は『マルエフ』の発売前ですが、出た後は早々に切り替えて、それからずっと『マルエフ』を置いています。クセがなくまろやかな味わいなので、1杯目に『マルエフ』を飲まれて、2杯目に世界のビールを飲んで、締めにまた『マルエフ』に戻るという方が多いですね。
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※記事内で表記している料理の価格は、取材時の金額となります
(取材・文/山脇麻生 撮影/加藤 岳)
<提供/アサヒビール>
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