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【江口寿史主催Tシャツ展】浦沢直樹、上條淳士、西原理恵子が意気込みを語る

 漫画家の江口寿史が主催し、30人の漫画家やイラストレーター、デザイナー、画家、ミュージシャンなどが参加するTシャツ展[30T]が7月11日より吉祥寺で開催される。3年目となる今年は、朝倉世界一、浦沢直樹、小岐須雅之、かせきさいだぁ、後藤晶、コンドウアキ、西原理恵子、空山基、田島昭宇、西村ツチカ、和田ラヂヲが新たに参加し、ますます豪華な顔ぶれに。開催を前に、主催者の江口寿史、今年で参加3年目の上條淳士、そして今年初参加の浦沢直樹、西原理恵子に[30T]の見所、Tシャツの制作秘話を語ってもらった。

浦沢直樹氏,西原理恵子氏,江口寿史氏,上條淳士氏

左から浦沢直樹氏、西原理恵子氏、江口寿史氏、上條淳士氏。サイバラが手にしているのは販売予定の「アイラブ吉祥寺」Tシャツ

――漫画家からミュージシャンまで、さまざまなクリエイターが集まってのTシャツ展[30T]も今年で3年目。すっかり吉祥寺の夏の風物詩になりつつありますね。

西原:え!? まだ3年目なの? 何かもう15年くらいやってるような気がしてた。

江口:15年て!(笑) でも、ありがたいことに年々お客さんも増えてて。小さなギャラリーだから、去年は人があふれかえって大変だったよ!

浦沢:俺、こんなにやる気のある江口さん初めて見たよ!(笑)。飲んでるときに「参加しない?」って誘われて、その後ちゃんと「覚えてる?」って念押しの連絡まできたからね。あ、あのとき酔っ払ってなかったんだ!って。

西原:参加者のブッキングとかも全部江口さんがやってるんでしょ? その熱心さを普段の仕事にも生かせば今頃……(笑) 。

江口:やかましわ!(笑) でも、会期中は接客とか会計とかも全部参加者が自分たちでやりますからね。吉祥寺の重鎮いしかわ(じゅん)さんが普通にレジに座ってたりして(笑)。上條くんなんか接客超丁寧だよね。

上條:「奥様にはこちらのマゼンダなどお似合いかと……いかがですか?」みたいな(笑)

江口:アパレル店員みたいにね(笑)。

上條:吉祥寺中の量販店が、この1週間はTシャツが全く売れないでしょうね。

西原:私も接客なら自信ありますよ。昔ミニスカパブで働いてたし!

江口:そっちかよ!(笑)

浦沢:俺も! 若いときに吉祥寺の肉屋で働いてたから、牛肉500gって言われたらぴったり掴み取れる!

――あんまり関係ない技術のような気もしますが……(笑)。みなさん、もうTシャツは完成しましたか?

西原:私は今日持ってきました! 「アイラブ吉祥寺」Tシャツと「毎日かあさん」Tシャツ。缶バッジつきで1500円です。

江口:安過ぎだよ! 初参加のくせにいきなり価格破壊だよ! だってみんな3000円前後だよ!? それは反則だろう〜!

上條:僕たち、この発想はなかったですねー。今年は荒れそうだ。

江口:「みんなに嫌がられるデザインにする」って言ってたのに、デザインも普通にかわいいしな!

西原:いやいや、「アイラブ吉祥寺」ですよ。嫌でしょ~(笑)。

江口:今年、吉祥寺に「アイラブ吉祥寺」Tシャツ着てる人があふれたりして……ああイヤだ!

西原:それに、みなさんみたいにおしゃれな絵で、お金出しても買いたい!ってファンが多い人は別だけど、私は薄利多売で勝負してかないと! 単行本も、1円でも安く売りたいっていつも思ってるし。今日の座談会だって、息子に他のメンバーの名前伝えたら「……何でお母さんがそこに呼ばれたの?」って言われたくらいですからね!

浦沢:俺だってさー、基本はファンから「ストーリーの人」って思われてるから、俺の絵のTシャツなんてそんなに期待されてないと思うんだ……。ていうかTシャツなんてそもそもそんなに売れるもんじゃないんだよ!

江口:何でそんなに弱気なんですか!(笑)。浦沢さんのTシャツなんて、みんな買いたいに決まってるじゃん! ちなみに浦沢さん、Tシャツのデザインはどういうの?

浦沢:(「20世紀少年」の)「ともだち」Tシャツにしました。

――街中で「ともだち」Tシャツを着ている人が沢山歩いていたら面白いですね。まさに変な宗教みたいで(笑)。

浦沢:ザザッとした線で描きたくて、あえてどれだけ時間をかけずに描けるか挑戦してみたという(笑)。そういう線のほうがTシャツには合うし。ほんと、1分もかからず描いたんじゃないかな。

江口:そうなんだよね! 僕は今回の新作はひばりくん(「ストップ!!ひばりくん!」)の絵で 作ったんですけど、キャラクターがベタっと描いてあるTシャツは作りたくなくて。恥ずかしいじゃない。自分で着たくないし。だから、下描きの線のまま、迷い線も入れて作りましたよ。どう仕上がるかは賭けだけどね!(笑)

上條:ついにひばりくんTシャツを! 僕も今年は(「TO-Y」の)ニヤのTシャツを作りました。ずっと避けてきたんですけど……今年はデビュー30周年ということもあって、ファンサービスの意味も込めて。普段、自分がカッコいいと思って着ているTシャツのデザインを、じゃあ、そういうTシャツを作ったらファンが喜ぶかと言ったらそうじゃないんです。やっぱり漫画家のファンの方々は、その漫画家のキャラクターTシャツが欲しいんだなあって。逆に僕たちは自分の描いたキャラクターTシャツは着ませんからね(笑)。そのへんが難しいんです。

江口:朝倉世界一とか、和田ラヂヲみたいな、サラッと描いてチャーミングな絵はTシャツに向くんだよねえー。だけど、俺とか上條くんみたいなタイプの絵の人が、ああいう感じで描いても、それは多分ファンは望んでないっていう……ね(笑)。だからモチーフはひばりくんにして、でもTシャツとして自分でも着ても恥ずかしくならないように線はラフにして……ジレンマだよね(笑)。

西原:サラッと描いた線が素敵といえば、昨年も参加していらした立花満さん(今年も参加)のTシャツは素敵だったなあ。へんないきもののイラストとか、私、どんズバでした! 漫画家以外の方も沢山参加されてるから、「この漫画家が目当て!」みたいに来た人が、ほかにも素敵なTシャツに沢山出会えるんですよね。

江口:そうそう、服屋にTシャツを探しに行っても、なかなか「これは!」って1枚に出会えないことも多いけど、そんなときは「30T」に来れば見つかるかも!

西原:1500円から1万円まで、幅広く取り揃えております(笑)。

 30人のクリエイターたちの創意、そして時には迷い(?)までもが詰まったTシャツ展。お気に入りの1枚を探すために吉祥寺まで足を伸ばしてみては?

◆30人のクリエイターによるTシャツ展[30T]

●日時
13年7月11日(木)~7月17日(水) 12:00~18:00(最終日は17:00まで)

●会場
吉祥寺リベストギャラリー創
東京都武蔵野市吉祥寺東町1-1-19
電話 0422-22-6615

●出展者
江口寿史、青木俊直、朝倉世界一、いしかわじゅん、井上正治、浦沢直樹、上條淳士、後藤晶、西原理恵子、田島昭宇、田村信、西村ツチカ、村田らむ、和田ラヂヲ、山田雨月、寺田克也、大地丙太郎、かせきさいだぁ、井筒啓之、小岐須雅之、オザワミカ、コンドウアキ、空山基、玉村ヘビオ、BLUEBERRY CHEESECAKE、立花満、サカイシヤスシ、中田舞子、西野直樹、中沢しのぶ

<取材・文/牧野早菜生 撮影/山田耕司 取材協力/チル>




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