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客も会社も騙す“脱法サラリーマン”の悪行手口

 個人情報の漏洩によって200億円もの損害を被ったベネッセコーポレーションを引き合いに出すまでもなく、いつの世にも、どんな組織にも不良社員は存在する。8/19発売の週刊SPA!では「脱法サラリーマンの悪知恵白書」と題した特集を組んでいる。その一端を紹介しよう。

不動産会社の営業マン・町田信彦氏(仮名・37歳)

不動産会社の営業マン・町田信彦氏(仮名・37歳)

<不動産会社の営業マン・町田信彦氏/仮名・37歳>
大学卒業後に新卒で大手財閥系不動産会社に入社。営業畑を歩きそれなりに評価されてきたが、出世争いに疲れ、“脱法工作”に走るように。近い将来、不動産プチバブルが到来すると睨み、社内の金脈を探っている

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 消費税増税前の駆け込み需要もあり、昨年の大手不動産会社の売上高は軒並み過去最高を記録。業界全体が浮かれる中、営業マンの町田信彦氏(仮名・37歳)は別の理由で笑いが止まらないという。

「新築の家を建てる時、客は造作家具を付けるなどオプションにもカネをかけたがります。その工賃を着服する。客には格安にできる業者だといい、私が作った“●×企画”のような架空会社の口座に工賃を振り込んでもらう。一方で、会社には“サービス工事”だと説明し、工賃はこちらで負担すると説明します」

 このあまりに稚拙なスキームが実現するのには大手不動産会社ならではの理由がある。

「実際の工事は子会社に発注するのですが、普通は注文書や請書などの書面を交わします。これが“親子関係”にある会社との取引だと途端に甘くなるんです。決算時期に書類が足りなくても、100万円ぐらいまではスルー。昨年、うちが受注した戸建ての新築工事だけでも1000軒を超え、リフォームを入れれば3倍はいく。それだけあればまずバレない」

 この手口で町田氏は昨年だけで1000万円以上を儲けたという。

「ただ、続ければバレるリスクは高くなる。今年は方向を変え、都心の1億円以上のマンションの購入者や家賃100万円以上の高級賃貸の住人の個人情報の販売を考えています。不動産会社は彼らの住所や電話番号はもちろん勤務先や収入状況、生活スタイルも把握しています。特に高級賃貸には芸能人も多く住んでいるから、高額で売れるはず」

 自分の会社を骨の髄までしゃぶり尽くす勢いだ。ちなみに、彼の悪行は、東京新宿法律事務所代表・中村得郎弁護士によれば、「顧客に対する詐欺と、背任罪が成立するものと思われますが、事案によっては業務上横領だけが成立する可能性も。この場合の個人情報は、不正競争防止法上の営業秘密に該当します。営業秘密を利益を得る目的で利用している点が問題になります」とのことで、推定される判決は「懲役1年、執行猶予3年」だ。 <取材・文/週刊SPA!編集部>

週刊SPA!8/26号(8/19発売)

表紙の人/熊田曜子

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