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今どきの40代が“不祥事”を起こすメカニズムとは

ニュースを賑わせる“不祥事”の数々。組織ぐるみの大事件が耳目を集める一方で、最近とみに増えているのが、「フツーの会社員がとんでもない事件を起こす」という事例だ。記憶に新しいのは、昨年末に発覚した「アクリフーズ事件」。冷凍食品の製造工場に勤める勤続8年の契約社員が、給与体系の“改悪”に恨みをつのらせ、製品に農薬を混入した一件だ。容疑者の悪人顔が話題になる一方で、その推定月収が手取りで12万円という待遇のシビアさも注目された。

「上司に叱られたくない」「ノルマが達成できていない」といった焦り。「会社に搾取されている」という不満。よくある悩みは、いつしか増殖して平凡な会社員を闇に落とす。そんな「明日は我が身」の実態に迫る!

<今どきの40歳が不祥事を起こすメカニズムとは>

◆プレッシャーが不正の引き金に!!

 不正対策の専門家である「公認不正検査士」の甘粕潔氏によると、「不正のトライアングル」の3要素が揃ったとき、隠蔽や横領などの不正は発生しやすいという。

⇒【画像】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=641178

不正「まずは<動機>。<プレッシャー>と言い換えることもできますね。『今の収入ではローンが払えない』という“カネ”のプレッシャー、『ノルマを達成しなければ』という“成績”のプレッシャー、『納期に間に合わない』という“時間”のプレッシャーなど。これらが不正へのトリガーとなるのです」

 いずれも身に覚えがありすぎるプレッシャーである。もっとも、動機だけでは不正は成立しない。

「そこで重要になるのが<機会>。つまり、不正がバレにくい状況であるかどうか。金品の管理が杜撰な会社で横領が増えるのは当然ですし、『一人の人間が同じ仕事を長年任されている』というような状況でも、業務内容がブラックボックス化されて不正をごまかしやすい。本部の目が届きにくい地方や海外の支社なども不正の温床です」

甘粕潔氏

甘粕潔氏

 決定打となるのは<正当化>だ。

「不正が悪いことだというのは、皆わかっているんです。だから、心の中でその行為を正当化しようとする。横領する人が『盗んだんじゃない。借りただけだ』なんて言うのはまさにそれ。会社に不満や恨みを持っている人の場合も、仕返しが正当化の理由になります」

 現時点で、すでに3つ揃ってフィーバー目前という人も少なくないのでは……。3要素のうち、会社側はまず<機会>の部分を潰そうとするが、監視の強化には甚大なコストが必要なので、資金力に乏しい企業では限界がある。「不正が起こらない職場環境」の実現はなかなか難しいのが現状だ。

 組織論の名著『熱狂する社員』には「モチベーションを高める3要素」として<公平感><達成感><連帯感>の3つが挙げられているが、これらは「不正のトライアングル」と表裏を成すという(※図参照)。平たく言えば、モチベーションの高い「リア充」は悪事とは無縁な会社生活を送り、「非リア」は不正の動機を抱えやすいのだ。

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不祥事「とりわけ、悩みを打ち明けられない、プレッシャーを分かち合えないといった、連帯感の欠けた組織は危ない。上司が先に帰って部下が一人で残業をしていたり、一部の人間が休日出勤したりするような環境は、心理的にも不正への導線になりやすいんですよ」

【甘粕潔氏】
インタクト・コンサルティング代表。公認不正検査士として企業倫理・不祥事防止に関する研修講師、コンプライアンス体制強化支援等に従事する

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