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アイドルたちの「腕相撲最強決定戦」に密着 野心、絶望、夢、友情…これは余興じゃない、シュートマッチだ!

 最強のアイドルは一体誰なのか? ファンなら一度は考える夢の対決が、12月20日に東京・新宿BLAZEで行われた。
T-Palette Records 感謝祭 2015~今年新しく出来たyouthsource recordsも箱レコォズの面々も出るよ、もちろんTパレアームレスリング大会も開催!!年末大大感謝祭!!~

特別立会人を務めた全日本アームレスリング連盟会長の遠藤光男氏も見守る会場には、異様な熱気が立ちこめていた

「T-Palette Records 感謝祭 2015~今年新しく出来たyouthsource recordsも箱レコォズの面々も出るよ、もちろんTパレアームレスリング大会も開催!!年末大大感謝祭!!~(以下、Tパレ感謝祭)」と銘打たれた同イベントには、総勢14アーティストが出演。それぞれ熱のこもったステージングのほか、この日限りのコラボ曲なども披露していく。7時間以上にも及ぶ公演は大盛況のうちに幕を下ろしたが、パフォーマンスと同様……いや、下手したらそれ以上の注目を集めていたのが、途中で挟まれるアームレスリング大会だった。アイドル専門誌『Top Yell』編集部の吉野耕二氏が解説する。 「この腕相撲大会は昨年のTパレ感謝祭でも開催されたのですが、そこで衝撃的なドラマと因縁が生まれました。大会開催前、圧倒的な優勝候補に挙げられていたのはアプガ(アップアップガールズ(仮))勢。なにしろ彼女たちはフィジカルエリート揃いだし、特に佐保明梨さんはゴリゴリの空手経験者で”破壊王”を自称している。ところが蓋を開けてみると、その佐保さんが1回戦で敗れるという大波乱が生じたのです」 T-Palette Records 感謝祭 2015~今年新しく出来たyouthsource recordsも箱レコォズの面々も出るよ、もちろんTパレアームレスリング大会も開催!!年末大大感謝祭!!~ T-Palette Records 感謝祭 2015~今年新しく出来たyouthsource recordsも箱レコォズの面々も出るよ、もちろんTパレアームレスリング大会も開催!!年末大大感謝祭!!~ 事態が飲み込めず茫然自失となる佐保。どよめく会場。佐保を下したのはNegiccoのNao☆だった。勢いに乗るNao☆は当然のように決勝に駒を進めるが、別ブロックを勝ち上がってきたのは佐保と同じアプガの森咲樹。さらに話を複雑にしたのは、森とNao☆は親友の間柄だという事実である。仲間の仇を討つのか? 親友との友情を取るのか? 森は難しい決断を迫られることになる。だが優勝商品の叙々苑商品券に目がくらんだ森は、涙ながらにNao☆を秒殺。見事、初代女王の座を手にした。 「佐保さんの悔しがり方は尋常じゃなく、この1年間はアームレスリングの特訓に明け暮れていた。数々の格闘家やプロレスラーを育て上げた足立光トレーナーのもと、柱にチューブを巻きつけ、ひたすら肘と肘を返す練習を繰り返してきたそうですからね。アイドルとしては、完全にどうかしています」(吉野氏)  そして今年は佐保、Nao☆、森の”3強”の前に思いもよらぬ伏兵が現れる。Hauptharmonieの寺田珠乃である。剣道三段の猛者である寺田は予選リーグをぶっちぎりの強さで勝ち抜くと、「自分がすごく強いのはわかっていた。それだけに相手を壊してしまうのが怖かった」と強気なコメント。司会を務めたタワーレコード・嶺脇育夫社長も「これは本当に優勝しちゃうかも」と目を丸くしていた。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1015258
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特別な思い入れをもって臨んだアップアップガールズ(仮)の佐保であったが……

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なんと一回戦で敗退。悔しさのあまり、その場に泣き崩れてしまった

 そして運命の決勝大会ゴングが鳴らされる。超満員の観客が固唾を飲んで見守る中、重苦しい表情でPOP・ユメノユアと向き合ったのは佐保だ。今年こそは……誰もがそう願っていたが、勝利の女神は無情にもユメノに軍配を上げる。昨年に続き、まさかの1回戦敗退! ショックのあまり、佐保はその場に崩れ落ちてモロ泣きする。マイクを向けられても「私の努力不足。明日からまた頑張ります……」と嗚咽混じりで振り絞るように答えるのがやっとだった。  その後も激戦は続く。準決勝ではリベンジに燃えるNao☆に対して森が返り血を浴びせ、圧倒的な強さで予選を勝ち抜いた寺田はNegiccoのKaede、lyrical schoolのayakaといった強豪をものともせずに下していく。決勝はやはり森VS寺田の組み合わせとなった。前年の女王を前にした寺田は「16年間生きてきたけど、武道館で剣道の全国大会をやったときよりも緊張している」としながらも、「勝ったら1曲だけ歌わせてください!」と猛烈アピール。ひ弱そうなメガネ姿とは裏腹の物怖じしないガッツに、会場のファンもやんやの喝采を浴びせる。
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この殺気に満ちた目を見よ。遊びじゃないのだ

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剣道で鍛えた豪腕で、白星を積み重ねるHauptharmonie・寺田

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準決勝でぶつかったNegicco・Nao☆とアプガ・森の一戦は森に軍配が上がった

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決勝は寺田vs森

 試合は森の勝利で終わった。泣き笑いの表情で喜びを爆発させた森は「日本のアイドル! 世界のアイドル! 誰だろうと私にかかってこい!」と、アントニオ猪木ばりに絶叫。もはやこの腕相撲はアイドルの余興ではない。野心、絶望、夢、友情……少女たちの様々な想いが交錯し、すさまじいグルーヴ感が生み出されている。特別立会人を務めた日本アームレスリング連盟の遠藤光男会長も「勝って泣き、負けて泣く。彼女たちの純粋な気持ちが表れていて素晴らしかった」と大会を総括した。 「予選は勢いで勝ったけど、本戦は雰囲気に飲まれてしまった部分がありますね。特に森さんが怖すぎた(笑)。パーカーを脱ぎ捨てた時点で、すっごいオーラが出ているんですよ。背後で炎が赤くメラメラ燃えているような感じで。手を組む前から”これは勝てないな”って心が折れていました。とはいえ、来年は森さんを相手に絶対リベンジを果たしたいです!」(Hauptharmonie・寺田珠乃) 「”決勝で会おうね”って森ティとは約束していたんですよ。だから負けた瞬間は、何が起こったのか把握できなかったです。”なんで? ちゃんと先生と一緒に特訓したじゃん!”って。他のアイドルさんは私たちほど練習していないだろうし、ここまでアームレスリングに賭けていないと思う。やっぱりアプガは肉体派って言われることも多いし、負けちゃいけない戦いだったんですけどね……。ただ、”強さ”とは違う部分、”ガチ”っていう面は初めて観た方にも伝わったんじゃないかな。ガチというのは、どんなことに対しても真剣勝負で挑むっていう姿勢の問題。ライブ中に”命賭けています”って口で言うのは簡単だけど、なかなかそれって伝わりづらいですから」(アップアップガールズ(仮)・佐保明梨)
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優勝を決めた後、思わずこぼれた森の涙は、この戦いの苦しさを物語っていた

T-Palette Records 感謝祭 2015~今年新しく出来たyouthsource recordsも箱レコォズの面々も出るよ、もちろんTパレアームレスリング大会も開催!!年末大大感謝祭!!~「明梨が負けたとき、”これは私が勝たないと、大会が成り立たない”と腹を括りましたね。寺田さんは予選の時点から段違いの強さだったし、”この子はヤバいぞ”って警戒していました。ただ、組んだ瞬間に”いける!”って思ったんですよね。今回、2連覇を果たしたってことで、来年も様々な強敵が向かってくるはず。でも、私だって”この座は絶対に渡さない!”っていう気持ちでいるので。1年間パンプアップして防衛を重ねたいです」(アップアップガールズ(仮)・森咲樹)  以上は大会終了後の選手コメント。アイドル戦国時代は終わったとも一部では言われているが、もともとオーディションを受けるような少女たちは上昇志向が強い。ギラついた熱い想いを胸に、2016年もシーンを盛り上げてくれそうである。 〈取材・文/小野田 衛〉
出版社勤務を経て、フリーのライター/編集者に。エンタメ誌、週刊誌、女性誌、各種Web媒体などで執筆をおこなう。芸能を中心に、貧困や社会問題などの取材も得意としている。著書に『韓流エンタメ日本侵攻戦略』(扶桑社新書)、『アイドルに捧げた青春 アップアップガールズ(仮)の真実』(竹書房)。
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