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ゆりやんレトリィバァ×長与千種「ダンプも私も落ちこぼれだったから……」『極悪女王』からみた、全女のリアル

 当事者だった長与千種が驚愕するほど”完全再現されていた”という『極悪女王』(Netflix)。ゆりやんレトリィバァ×長与千種の対談も、第2ラウンドに突入。ドラマといえ、ゆりやんが怪我をするなど、そこに”本気”があった。長与千種は語る、「演技指導で彼女にハッパをかけたんだよ」。プロインタビュアー・吉田豪に語った、落ちこぼれだったダンプ&千種の逸話など、今回もココでしか読めないエピソードが満載だ!(2本目/全4本) 【1本目】⇒「最狂になるしかなかった……」ゆりやんレトリィバァ×長与千種、吉田豪に語った伝説の女子プロ団体の裏側とは!? 【3本目】⇒「ゆりやん負傷報道」の真相。『極悪女王』女優たちの熱狂 【4本目】⇒天龍源一郎からの一喝、極悪レフェリーの素顔……『極悪女王』秘話

“もともとは落ちこぼれだった”ダンプと長与

――ダンプさんも基本は常識的な人が、あそこまで入り込んでやりきったわけですよね。 長与:要するにダンプ松本も長与千種もそうですけど、ホントに落ちこぼれだったから。 ――会社に期待されてないふたりだった。 長与:まったく。いつも腹空かして、会社が支給してくれる米ばっかり食べて。あるとき会社に「米の食べすぎだ」って言われて米も出してもらえなくなって。居場所がなかったからいつもふたりで道場にいたし、だからこそあそこまでやりきれたのかなって。 あと、竹刀で殴るって、最初は気を遣うじゃないですか。ゆりやんは気づいてなかったかもしれないけど、そのときボソッとベビーフェイス側の女優さんたちには「痛いのが商売だから」って言っちゃったの。「変わりたいからここ来てるんだよね? ここで頑張れば変われるよ」って言って。ゆりやんには「大丈夫、行っていいよ。心配しないで」って。 ゆりやん:向こうにはそうなってたんや。 長与:そうそう。全女方式というか、ゆりやんは根が優しいから。ダンプもそうじゃん。だからどうすればいいのかなと思ったときに、ふと全女方式の焚きつけだなって。 ――ダハハハハ! 全日本女子プロレスのフロント陣は、「あいつがお前の悪口を言ってたぞ」とかデタラメなことを双方に吹き込んで本気で不仲にさせるんですよね(笑)。 長与:だから「ゆりやん、痛い痛いって聞こえるでしょ。でも大丈夫。やっちゃいな」って言いつつ、向こうには「痛いの商売じゃん」って。 ゆりやん:焚きつけ(笑)。 長与:「あなたたちは女優だけど、でもこのドラマに関しては、ケガはさせないまでも痛いのは多少なりともわかってて入ってるわけだから」って。そしたら「そうですよね、ハイ!」って言ったとき、また違うキラキラした、ちょっと飢えてる目になるので。それはそれですごい勉強になった。

全女の事務所を場所まで完全再現!?

1970年、東京都出身。プロ書評家、プロインタビュアー、ライター。主な著書に『男気万字固め』(幻冬舎)、『人間コク宝』シリーズ(コアマガジン)、『サブカル・スーパースター鬱伝』(徳間書店)、『書評の星座』(ホーム社)など