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パチンコ新システム「LT 3.0+」導入で“激荒スペック台”が急増?規制の緩和は“ファン離れ”を加速させないのか

 令和7年年4月8日、都内で行われた「日本遊技機工業組合」による発表会にて、次世代のパチンコ基準機「LT 3.0+」が正式に発表された。  一撃性に特化した新たな出玉システムとして令和6年3月に導入開始した「ラッキートリガー(以下、LT)」。従来の規制下では、期待出玉の上限が6400発に制限されていたものの、LT搭載機は最大9600発まで引き上げられたことで話題となった。  令和6年7月には、「LT 2.0」として、LT突入率の緩和など、さらに規制が緩和されることに。そして今回発表された「LT 3.0+」。果たしてどういった進化があるのだろうか。

「LT 3.0+」とは?2つの進化ポイント

パチンコ

4月8日に行われた「LT 3.0+」の発表会

 発表会で“2つの進化を遂げた”と語られた「LT 3.0+」。1つ目は「スマートパチンコにおけるラッキートリガーの進化」、2つ目は「時短仕様の自由化」だ。  今回の改正により、初当りの期待出玉が最大6400個未満まで解放。LT中は最大9600個未満まで許容されるなど、これまで以上に爆発力のある仕様が可能になる。  発表では、LTの仕様は従来に比べて大幅に緩和されており、「LTによる獲得出玉が占める割合を2/3からにすることで、より身近な存在に」と説明。従来、初当りの期待出玉は3200個未満に制限されていたが、今後は6400個未満まで可能となり、遊技の自由度が格段に高まる。  さらに、「LT突入率や性能の向上により、今まで以上に多彩なゲーム性が実現可能になる」とのことで、業界全体の活性化に大きく寄与することが期待されている。

時短性能がゲーム性を大幅に変える「+」の部分に注目

 また、「LT 3.0+」の“+”にあたる部分では、時短の設計が劇的に進化。これまで大当り図柄や時短図柄でのみ決定されていた時短性能が、「遊技状態(確変や時短の有無)」「図柄」「時短性能」の3つの条件によって決定されるようになる。  この変更によりパチスロのような、チャンスゾーンから上位ラッシュへ段階的に突入するゲームフローや、継続率や出玉が変動するラッシュなど、よりダイナミックなスペック構成が可能に。ST機・ループ機といった既存の枠を超えた、新しい遊技の形が誕生しつつある。  また、発表会では「ライトミドル帯やライトタイプなどにLT 3.0+を搭載することで、既存機種への不満を解消し、スマートパチンコ市場の普及を加速させたい」と語られた。  特にスマートパチンコは普及が遅れている現状があり、今回のLT 3.0+がその起爆剤になる可能性もある。多様なゲームフローと新しい時短活用法が実現すれば、ユーザー層の拡大と業界全体の活性化にも期待できるだろう。  解禁日は「令和7年7月7日」と、パチンコ界にとって“激アツの日”。たまたま新台導入となる月曜日と重なったこともあるだろうが、この特別な日にあてることは、日本遊技機工業組合が“力を入れている証”といえるかもしれない。

実際にどのような機械がリリースされるのか

 ここまで発表会で語られたことをベースにお届けしたが、実際のパチンコ機にはどのくらいの変化がもたらされるのだろうか。長年パチンコ業界で活動しているライターのS氏に話を聞いた。 「これまでのLTは突入確率がとんでもなく低かったです。初当り確率はライトミドルだけど、“チャージ”という小当りみたいな当たりも“大当り扱い”で、実質1/800のLTに入らないと勝てない……みたいな。ただ、3.0+になることで、まどろっこしい“チャージ”を搭載しなくてもよくなりました。そのうえLT突入率が上げられます。これがいいか悪いかは……ちょっと難しいところですね」  初当りはライトミドルだけどLT突入率は1/1000……みたいな機種もあったが、7月7日以降はチャージなしのLT搭載機が可能。実際に7月7日にSammyからリリースされる「e東京リベンジャーズ」は、初当り確率1/319、トータルLT突入率は約61%。通常時から実質約1/524ほどでLT突入が可能となるわけだ。 「『LTに入らないと話にならない』という機種もあるので、LT突入率を上げられることは、夢を見るチャンスが増えるということ。ただ、チャージがなくなる、もしくはとんでもない低確率になることで、ちょこちょこした出玉が取れなくなります。この“ちょこちょこした出玉”がないことで、投資スピードがあがることは間違いないでしょう。そういう点でいうと、遊びやすいスペックになるとは思えないので、おそらくさらに荒い機種が増えていくんじゃないでしょうか
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