電車の床に落ちたペットボトルを誰もが見て見ぬふり…蹴り飛ばした中年男性に、若者が思わぬ一言
移動に欠かせない交通手段のひとつである電車。しかし、通勤や通学の時間帯は混雑するため、殺伐とした雰囲気がある。車内では譲り合いの精神を持って、お互い気持ちよく過ごしたいものだ。
今回は、電車内の空気が張りつめたように感じられたという2人のエピソードを紹介する。
「夕方の電車内は、ほどよく空いていて、静かな雰囲気でした」
井上浩司さん(仮名・40代)は、その日少し早めに仕事を切り上げ、帰宅のために電車に乗っていた。すると突然、“コロン……”と音を立てて、空のペットボトルが転がってきたという。
「おそらく誰かの荷物から落ちたと思いますが、誰も拾おうとしませんでした。視線は送るのに、誰も手を出さない。電車ってそういうもんですよね」
ペットボトルはゆっくりと転がり続け、ある中年男性の足元で止まった。するとその男性が、思いがけない行動に出る。
「男性は舌打ちすると、いきなりそのペットボトルを蹴り飛ばしたんです。ペットボトルは勢いよく飛んで、斜め向かいの席に座っていた女性の足元に当たってしまいました」
女性は驚いて声を上げたが、男性は無反応のまま。その場にいたほかの乗客も沈黙したままで、車内には重苦しい空気が漂っていたそうだ。
しかしその直後、女性の隣に座っていた若者が立ち上がり、イヤホンを外して男性の前に歩み寄ったのだ。
「コントロールできないなら蹴んなよ! 人に当ててなにも言わないなんて、一番ダサいヤツっすね!」
若者の言葉が発せられると同時に、車内はピリピリした空気に包まれた。男性は何も言い返せず、視線を逸らしながら、次の駅で降りたという。
「若者はペットボトルを拾って、女性に『ひどかったですね』とだけ言い、静かに席に戻りました。誰も口にはしませんでしたが、車内は、まるで“拍手が沸き起こったかのような”一体感になっていました」
床に落ちたペットボトルを誰もが見て見ぬふり

※写真はイメージです。以下同
転がってきたペットボトルを蹴った男性に、若者が思わぬ一言
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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