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『私が見た未来』“7月に大災害”予言で経済に影響が…「免税店では香港人客が激減」飛行機の減便も決定

 日本の都市伝説界隈では以前から有名だった「7月地震説」が4月以降、海外に飛び火し、ついに実体経済にも影響を及ぼし始めた。本当に災害は起きるのか。

伝説の予言漫画の影響が海外にも波及!

[7月に日本で大地震!]アジアパニックの真相

たつき諒著『私が見た未来 完全版』(飛鳥新社)

「7月に日本で大地震や大津波が起きる」  そんな噂が海外で広まっている。発端は、1999年に東日本大震災の発生を預言したことで有名になった漫画家・たつき諒氏の作品だ。  ’21年に刊行された『私が見た未来 完全版』で、同氏は’25年7月5日に、日本が巨大な津波に襲われ、大災難が起きると明言したのだ。
[7月に日本で大地震!]アジアパニックの真相

香港メディアで大きく報じられる「7月地震説」。風水師の預言で危機感を煽っている

 日本でも話題になったこの預言は、シンガポールの陰謀論系ユーチューバーが紹介した動画が870万回以上再生されるなど、海外でも約3年前から中華圏を中心に徐々に広まっていった。  預言は今年に入ってさらにエスカレートしていく。“震源地”は香港だ。香港で著名な七仙羽氏や李居明氏など風水師の預言が「お墨付き」を与えた。  七氏は「4月以降、日本に行ってはならない」と呼びかけ、李氏は「9月に最大の災難が起こる時期に入る」と煽り、現地メディアでも連日、大きく取り上げられた。 「在日中国大使館が4月に注意喚起を出したことも影響していますよね。これは3月に日本政府が公表した南海トラフ巨大地震の新たな被害想定を受けてのものなのですが、香港では預言を“補強”するソースとして使用されています」(香港在住の日本人)

飛行機の減便も決まった

[7月に日本で大地震!]アジアパニックの真相

アジアだけでなく、欧米のメディアでも報じられ始めた

 結果、多くの香港人がこの預言に踊らされ、ついには実体経済にも影響を及ぼすように。  日本への旅行需要が激減していることを受け、香港のグレーター・ベイ航空は、仙台と徳島の2路線を5月中旬から減便することを決定した。 「免税店では香港人客が激減し、なかには9割減という店もある。昨年の訪日外国人の旅行消費額は、香港が5位で総額6606億円。全体の約1割を占めており、その影響は小さくない」(免税店向けコンサル会社の担当者)  政府もこうした状況を重く見ており、4月末に「地震を予知することは困難」と否定するコメントを発表。  一方、日本政府観光局は取材に対し、「一部で旅行のキャンセルが出ており、限定的ですが、影響が出ている」と認めた上で、「正確な情報を伝えるよう努めています」と回答した。
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東アジア各地の「7月地震説」影響度
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