ライフ

「突然、修繕積立金が5万円に値上げ」マンション管理の悲劇を防ぐ方法とは?タワマンの適正金額と“神管理”の実例

「マンションは管理を買え」とも言われるほど重要な管理。優れた管理を実現するためには、適切な管理費および修繕積立金が不可欠だ。マンション管理組合の実情と、「いい管理・悪い管理」について、のらえもんが熱弁! のらえもん

「コミュニティを買う」マンション管理の重要性

 重要な話なので、前回に引き続き、「管理」について解説させてもらいます。国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」に記載されている、20階以上の高層マンションの修繕積立金の目安は1㎡あたり338円(平均値)です。一方で延床面積5000㎡未満の小規模マンションでは月額335円。なんと、費用負担がタワマンと大差ないんです。  小規模だと少数の区分所有者で共用部維持費を負担するため一戸あたりの積立金が割高になるわけです。どうせ同じ金額を負担するなら共用設備が充実しているタワマンのほうがQOLが上がるわけでして、本連載では一貫してマンション規模の大切さをお伝えしています。ちなみに一番管理のコスパがいいマンションは、200戸程度の板状マンションだったりします。  1㎡あたり338円がタワマンの修繕積立金の目安とすると、70㎡のファミリータイプの場合、月額2万3660円が適正金額となります。一方で埼玉県某都市の駅前には月の修繕積立金が4000円というタワマンが存在します……。これって明らかに持続不可能な金額設定で、まともな購入検討者だったら不安を覚えるはずです。突然「来月から修繕積立金を5万円に値上げします」と言われる可能性があるうえに、値上げを巡って反対派住人が絶叫する未来がありありと浮かびます。  修繕積立金不足に陥ったマンションに待っている悲劇は「爆裂」です。通常コンクリの中に埋まっている鉄筋は、空気に触れずサビにくい状態を保っていますが、コンクリート(アルカリ性)は時間経過とともに徐々に中性化します。その過程で鉄筋の皮膜が壊れ、空気中の酸素と水分による鉄の酸化が進行。酸化した鉄の体積は2〜3倍に膨張し周囲のコンクリートを内側から押し広げ、爆裂が発生するんです。その結果、雨水も浸入するようになり加速度的に建物の劣化が進行します。

理事になったらあなたがすべきこと

マンションアナリスト。「のらえもんブログ」やSNSでマンション購入に役立つ情報を13年以上にわたり発信。著書に『絶対に満足するマンション購入術』(廣済堂出版)など。「スムログ」発起人。住み替え支援サービス「すみかえもん」もプロデュース